「新しい子が入ったんだってね」

そう言ったビルに、キースははにかむ。

「そう、とても頼もしい!そして頼もしい!」

そう言ったキースに、それはよかった、とビルは笑う。誇りには思っているものの、あまり順位にこだわっている節のないキースは強力なライバル出現、ともとれるそれを心の底から頼もしい仲間ができた、と思っているらしかった。

「どんな人?」

ビルの問いに、キースはまじめで才気あふれる人だ、と答えた。

なんとも大味な人物評に、ビルはキースらしいとも思う。

「うまくやっていけそう?」

「明日誕生日サプライズをするんだ!」

そう答えた彼が見せた、彼がさっきほどからずっと読んでいる紙にビルはさっと目を通す。
どうやら、台本らしい、と思いながらビルは大丈夫かな、と少しだけ思う。

ヒーローたちがそろって犯罪者の格好って、とか、キースに悪役の親玉をやらせるとか、とか、むしろキースに台詞って、とか、まず筋書きが、とか言いたいことは多々あれど、それもお楽しみの材料に違いない、とビルは思うことにした。


「仲良くなれるといいね」

ビルの言葉に、キースは嬉しそうにうなづいた。





その次の日の晩、せっかく練習したのに、というキースをビルは慰める羽目になるのだった。

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