毎日、繰り返される夢の日が、近づいていた。
ルシウスの表情は、日に日に翳っていく。
ルシウスは優しい。だから、優しい君は悼むことを知っている。
何も知らないフリをして、今日も俺は君の傍にあり続けた。
降り注ぐように届く式文はすべて、シャットアウトしてしまった。彼らがここに近づくことも、何を送りつけることも出来ないようにしてしまった。
眠れていないのだろう、ルシウスの目の下にはくっきりとそれとわかる隈ができていた。俺がそれについて訊ねても、ルシウスははぐらかすばかりで答えようとはしなかった。
案じるような言葉をかけながら、俺は、腹の底で喜んだ。
……そんな顔しないで、と声をかける事は出来なかった。

……一生で一度の恋だった。
大好きだよ。
……愛してる。
何度口にしたかわからない言葉を、口にすることができなくなったのは、罪の意識故だろうか。自嘲する。あまりにも、自分勝手だ。

それでも、愛していた。枯れたはずの涙が、溢れるほどに。

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