声の届かない所にいって、伊月はキルフェを殺して岩場にたたきつけて血を出した。これで獣が血のにおいをかぎつけて死体を始末してくれる、と伊月は知っていた。
あまり血を出さずに殺したので伊月には返り血は少ししかない。
ホームに帰って、ただいま、とクロロに言うと、クロロはあぁ、といいながら伊月のことを凝視した。
「どうした?」
そうきくと、クロロはいや、と区切って驚いた、といった。
「サリヴァンがあんなことをするとは思わなかった。」
「あれは私刑だ。本来は奨励されるべきじゃない。」
「でも、サリヴァンは正しい。」
クロロは言った。伊月は肩をすくめて、本を開いた。
「みんな、君に感謝してる。そして君を尊敬してる。」
「恐怖してるの間違いじゃないか?」
「君が意味のない暴力を振るわないことを皆しってる。」
そう、と伊月は言った。
「明日、議会に行く。ついてきてくれるか?」
「もちろん。」
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