ぱちぱち、と暖かな焚き火の音がした。
重い頭を動かすと、額の上に乗っていた何かが落ちた。
もう一度それを乗せられて、だれかの声がする。
「もう少し、寝てなよ。」
聞かないといけないことがあった。
「、…は?……巧は、どうなった?」
「君は巧の人?残念ながら白薙が落ちたって聞いたよ。」
あぁ、死んだのかと思った。(そして自分は生きている)
「名前はなんて言うの?あ、僕は利広ね。」
「…なまえ、」
「うん。名前がないと呼べないから。」
霞む思考で、朔掩は可哀相なあの人がくれた名前を頭に浮かべた。
「……朔掩…」
「朔掩だね。まだ熱があるからもう少し寝たほうがいいよ。」
男のその言葉につられるようにして、朔掩は深い眠りについた。
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