「と、とまつ…」

「ん?お、大木久し振りだおいいっ!?」

「私は今!貝になりたい!!富松うぅぅ貝殻になってえぇぇーーー!!!」

「何なんだよっ!?ちょっ、離れろ!!怖いから!離れて!!」


リビングに進むと前回と同様におっ始まってる食満課長と潮江部長の横で、そんな事気にせず飲んでいる同期を発見したので頭から突っ込んだ。
ぐりゃ、と無理矢理肩を押されて引き剥がされるとポイっと転がされた。ひ、酷いよぅ…。


「っくく…まぁ大木、小平太の彼女が作ってくれたつまみでも食べろ。美味いぞ」

「そうそう、…あー、さっきのはスピーカーにしておいてよかった。あれ、大木直接謝ったのかい?ぶ、無礼をさぁ…!」


立花部長と善法寺課長が肩に手を起き話し掛けてくる。二人とも顔を背けて肩震わしてるし、いっそ堂々と笑ってくださいよ…。弱々しく言うと二人とも遠慮なく笑い出した。く、くそー!!


「………大木」

「中在家課長…」

「いつも小平太の部屋にはうんざりしていた。ありがとう」

「長次、いっつも怒りながら掃除していくもんなー」


中在家課長は私の手を取り握手をすると、小皿と箸を差し出した。


「長次は料理が好きなんだー。だからたまに私の家でこうやって集まったりするんだぞ」


お皿を受けとると、七松課長がニカッと笑って説明してくれた。なるほど、そう言う事だったのか…。七松課長はじっと私を見て、少し困ったように笑った。


「何かわからんが、心配事は無くなったか?」

「あ……あのっ!」

「ん?」

「七松課長…は、彼女居ないんですか?」

「居ない!」

「な、なんだー…よかった…」

「ん?」

「いえ、何でも」


て事は、私、七松課長の事好きになってもいいんだ…。安心して涙腺が緩むのを頭を振って堪える。
課長を見上げると、真ん丸い目と目が合う。


「七松課長」

「ん?」

「私、お弁当、毎日作ってきますね」

「?おー!楽しみだ!」


簡単な物しか作れないから、まずは料理の勉強をして七松課長の胃袋から掴んでしまおう。
課長が冗談じゃなく嫁に来ないかって言うくらい頑張ってやる!



「小平太、長次の料理と大木の料理、どっちが美味い?」

「長次!」


が、頑張り、ます…!!





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