「おーい!」


君は相変わらず元気。だけど。


「天女様が茶菓子くれたんだ。一緒に食べよう!」


どうやら天女様というのは本当だったらしく。

私はてっきり珍しい鳥でも見たのかと思っていたんだけど、その日の夜には学園中に広まっていた。空から降ってきたって言うのも一年は組以外に一年い組も見ていたらしく信憑性もある。
天女様は朝は事務で日中は食堂に居るらしいけど、今の所お目にかかれていない。
七松君はよく出会うらしく、この間は天女様が使っていた髪紐(しゅしゅと言うらしい)と七松君の髪紐を交換してくれと言われて交換していた。伸縮する摩訶不思議な輪っかで出来ていて、あれの方がとても便利そうだと言ったらやると言われたけど、いや、一応貰い物なんだからねと注意しておいた。他の人にもあげかねない。


「それ、私が食べていいの?」

「あぁ!ボーロを焼いてみたが美味いか食べてみてくれと言われたんだ。もうすぐ休憩だからって言うから、じゃあ休憩までに食べて感想を言うと言ってきた」

「あぁ、そう…」


いや、それ…一緒に食べようって天女様言ってたんじゃないかな…?天女様、七松君にはハッキリ言わなきゃわかんないって知らないから…。


「どうした?食べないの?」

「…いただきます」

「あぁ!」


何で貰った君が得意気なの。おかしくて笑うと七松君は目を瞬かせてから嬉そうに微笑んだ。

天女様、すいません。貴女のお気持ちは御察ししますが、代弁したりは致しません。



「美味かった!じゃあ私、感想を言ってくるから!」


だって、七松君が私のために使ってくれていた時間のほとんどは、貴女の時間になったんですから。





君は相変わらず元気。だけど。
(私は少し、悲しかったり)

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