『大川平次渦正学園長殿
天女殿、迎えの者無事に城へ着き候。
犠牲者は忍術学園のくの一生徒一名。道中刺客に狙われた天女殿の身代わりに。
敵の姿みつからず先を急いだ為骸は存在せず。森奥深くへと己で移動した模様。
優秀な生徒を亡くし心痛む。我が城で使うて遣りたかった。
天女殿の御身は責任を持ちキヌガサタケが守る所存である。』
サインを求められた小松田秀作は間の抜けた声で筆を走らせ、走り去る馬の後ろ姿を見送った。
「えーっと何々…キヌガサタケ城主殿から学園長先生にかぁ。…あれ?あきちゃんが持って帰るんじゃ駄目だったのかなぁ…まあいっか」
文を懐に仕舞い、庵へと駆け出す。あきが戻ってきたら、お茶でも出してあげようかなぁと思いながら。
全て終わったあとで。
end