「だからちゃんとやれって言ってるだろー!!またお前のせいで負けたじゃねえかよ!?」
「だから!私だって縄跳び回す方じゃなくて飛ぶ方だったらちゃんとできてるもん!!!ハチ君がやればよかったんじゃん!!!!」
「ヘリクツばっかりこねやがって…もーいい、お前なんか知らねぇ!!!」
「えっ…」
「勝手にしろ!」
ハチ君はだいぶ怒ったまま体育館から出ていってしまった…。ふ、ふん。私悪くないもんね!私は前の時だってつまんないって言ったもん!なのにさせる方が悪いんじゃん!ハチ君が謝ってくるまでこっちだって無視してやるわー!!
だいたいね!前の時だって結局ポートボールのゴールやる約束しれっと忘れて楽しそうに授業受けてたしハチ君には責任感ってゆーのがてんでない!やるって言ったことはきちんとやってほしいわ!動物の世話のように!!よーしこれは次言い合いになった時のために後でメモしておこう。
「ふふふ…絶対にぎゃふんと言わせてやるうー!」
「あき!さっさと片付け終わらせて次の授業行け!」
「ごめんなさい!!」
あといっつも片付け私一人に任せるのやめてくんないかな本当に!!
「じゃあ今日はここまでー。暗くなる前に家に帰れよー」
「せんせーさよーならー」
「さよーならー…はあ、」
先生が教室から出ていってため息をつく。
ハチ君とあれから全く喋ってない。いっつもならちょっと時間が経つとハチ君は言い合いしたの忘れたみたいにニコニコして話しかけてくるのに…。目が合ってギッと睨まれてそっぽを向かれるの繰り返しだ。
なんだよ…そんなに怒ってるのかよ…。私の怒りはみるみるしぼんでいった。
もう放課後になっちゃったし、このまま帰ると気になってはっきょうしそうだよ。そしたら留兄ちゃん怒るからねそれ恐いからね。だからハチ君がいつもするみたいに私から話しかけてみる事にした。たまには私が大人になってやんないとね…まったく男子は世話が焼けるよ!別に話しかけてくれないのが寂しいとかそう言うんじゃないからね。
「ね、ねーハチ君、明日も体育あるね!楽しみだね!」
「…雷蔵ー!俺今日母ちゃんと約束あるから先に帰るな!」
「え?ハチ、今日は飼育当番いいの?」
「おー、一平に任せてるから…」
「な、な…」
ハチ君に む し さ れ た !!!
こっちを見もせずに雷蔵君と喋るハチ君に怒りがふつふつとよみがえってきた。こ、こっちが下手に出れば…!!!怒りの衝動を抑えられなくて、手近にあった何かを思いきりハチ君に向かって投げた。
「いっっってぇ!!!!!」
「もー知らん!ハチ君のアホ!バカ!仲直りしようと思ったのに!もーしない!!」
「誰が仲直りしたいって言った!!物投げるなんてサイテーだな!あきなんか嫌いだ!!!」
「う、ぐ…ハ、ハチ君なんか大大大だーーーーいっっ嫌いだーーー!!!!!!」
何だよ、何だよ!!物投げたのは私がわるかったけど、仲直りしたかったのに!なんで許してくれないのさ!!もう知らない!!!ハチ君なんかとうふ地獄に落ちちゃえ!!
「…ハチ、いいの?あきちゃん泣いてたけど…」
「…ふん。言ってもわかんねー奴なんか知らねー!」
「あいつ…私の雷蔵とおそろいのふでばこ思いっきり投げやがった…」
「ハイハイ。僕のふでばこもめこませるからおんなじおんなじ」ベコッ!
「雷蔵…!」
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