授業中、隣の席の幸村君がとんとんと私の机を叩いた。
顔を向ければ小さな紙を渡された。そして幸村君に顎でそれとやられる。
読めという事か?私はその紙に手を伸ばして先生に見つからないように机の下でその紙を開く。



『今日、何の日か知ってる?』



え?いきなり何だ?
分けが分からず幸村君の方を向けば、今度は自分のノートをとんとんと叩いた。
・・・返事をよこせって事?
私はノートの端に「知らない」と書くと折り畳み、幸村君の机の上に置いた。
幸村君は私がしたように机の下でそれを広げると、なぜか私を睨んできた。
え、何で?
そしてノートの端を破いて書きそれを折るとまたそれを机の上に置いた。



『ヒント。すごく特別な日だよ。』



は??全然ヒントになってないんだけど。
幸村君を見れば、さっきとは打って変わってにこにこと笑っていた。
私は切れ端に「歴史の問題?」と書いて折り畳み、また幸村君の机の上に置いた。
そして返事をみた幸村君がさっきよりも目を細めて睨んできた。
え!?本当に何で睨んでるだ!!??
そしてまたノートの端を破いて何かを書くと折って私の机の上にやや乱暴に置いた。もうちょっと静かに置いてくれ、授業中ですよ!!



『スペシャルヒント。誰かの誕生日。』



誕生日?誰の??ヒントがあまりにも少なすぎるんだけど!?
またもにこにこと微笑む幸村君を見ながら考える。
えっ、今日って3月5日でしょ?えー、誰?誰??
頭を抱えながら考えて、考えて・・・・出てこない。恐る恐る「分かりません」と書いてゆっくり幸村君の机の上に置く。
幸村君は嬉しそうにしながら紙を開いて・・・・・・・思いっきり私を睨んだ。
そしてさらっと何かを書いてノートを破くと今度はそれをくしゃくしゃに丸めて私の机に放り投げた。そして肘を付いてそっぽを向いてしまった。
くしゃくしゃのその紙を広げると、『バーカ』と書かれていた。
えぇぇぇ!!??何で?えっ、私なんか彼の機嫌を損ねるような事した??何で幸村君ちょっと拗ねてるの!!??
私はちょっと焦りながらその下に小さく何か書かれている事に気づいた。綺麗にその紙を広げると、そこには小さくだけど綺麗な字でこう書かれていた。




『俺の誕生日』



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