「先輩、何してはるんですか?」
「ざ、財前君!?」
「買い物すか?」
「な、何でここに?」
「何でって、ピアス選びにたまに来るんで。」
「そ、そうなんだ。」
「ふーん、イヤリング。」
「いや、たまたまちょっと気になって見てただけだから。」
「30分も?」
「え、何で知って・・・。」
「見てたんで。」
「・・・・・・。」
「星とかハートとか、そんなんばっかやんか。」
「でも可愛い、よ?」
「先輩、こういうぶら下がってんのがええんすか?」
「え、うん。」
「なら先輩、星とかハートよりこっちの方がええですよ。」
「パール系?」
「そ、これなんかぶら下がってるしリボンも付いてる。」
「あ、本当だ可愛い・・・。」
「やろ?」
「でも、私には大人っぽいような・・・。」
「そんな事あらへん。」
「それに、雑誌とかに載ってる人気なのはあぁいう可愛い奴だし。」
「人気のと似合うのはちゃいます。先輩はこっちの方が似合うわ。」
「・・・。」
「なら決まりっすね。」
「え、財前君?」
「どうせ買う予定やったんやろ?俺も買うのあったんで一緒に買うてきますわ。」
「いや、自分で・・・。」
「プレゼントしますわ。クリスマス近いし。」
「それは、なんか、悪いよ。」
「俺は別にそう思いません。それともあれか、先輩俺に贈られたら困るような男おるんすか?」
「それは、いないけど・・・。」
「ならえぇですやん。俺がしたいだけなんやから、黙って受け取って下さい。」
「・・・・はい。」
「ん。」
「という訳で財前君にイヤリング貰った。」
「ホンマか、財前めっちゃかっこええやん。な、白石もそう思うやろ?」
「あぁ、無駄ないなぁ。」(好きな子にプレゼントした上に自分の好みも伝える、流石やなぁ財前。)
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