「どうなんだよ、千石。」

「まぁまぁ、とりあえず落ち着きなって。」

「南は何であんなに地味なの?」

「うーん、昔からずっとあんなんだからなぁー。」

「この前私の両親に挨拶するって言って一緒にお父さんが好きな野球の試合に行ったのに、最後まで両親に気づかれなかったんだよ!?それどうなの?彼氏としてもどうなの?」

「あはは、南らしいな。」

「笑い事じゃないの!それにプロポーズしてくる気配も一向にないし。」

「あらら〜。」

「私の誕生日あたりにくるかな〜って思っててもこないし。お正月もバレンタインもエイプリルフールもないし!!」

「じゃあクリスマス辺りじゃない?」

「・・・・いっそ逆プロポーズしようかな。」

「逆プロポーズ?それは男としては複雑かも。」

「そうなの?」

「プロポーズぐらいは自分からしたいんじゃないかな?ねぇ、南?」

「えっ?」

「せ、千石、お前いつから俺がここいるって気づいてたんだ?」

「今だよ、南は相変わらず周りに溶け込むのが上手いよね。」

「それは俺が地味って言いたいのか!?」

「うん。」

「い、いるなら言ってよ南。」

「いや、お前が、千石と楽しそうに話してたから、言い出しそびれて・・・。それより千石、蝶子に飲ませたのか?」

「飲ませてないって、まぁ飲んではいたけどかなりの量。」

「そんにゃに飲んでないよ!」

「呂律回ってないぞ、まったく。」

「・・・南!」

「わっ、こぼれた!俺のビールこぼれた!」

「千石、うるさい!」

「はい・・・。」

「そして、南!」

「な、何だよいきなり、というか苦しい。ネクタイ離せ、締まる。首、締まる・・・。」

「私の事愛してますか!?」

「は?」

「私の事愛してるのかって聞いてるの!?」

「・・・は、はい。」

「なら、私と結婚しても問題ないよね!?というかさっさとプロポーズしろコノヤロー!!」

「それ、もはや逆プロポーズじゃない?」

「千石うるさい!」

「ごめんごめん。とりあえず南青くなってるから離してあげたら?」

「あ」

「本当君達面白いよねー。お姉さーん、ビールもう一杯お願いしまーす!」



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