「よし、これでええか?」
「うん、ありがとう白石。」
「えぇって、まぁ、当日に呼び出されるとは思っとらんかったけどな。」
「この前飲んだ時に話したじゃん。」
「まぁな。で、もう一人の主役は?」
「・・・・例のごとく遅刻してます。」
「まったく変わってないなぁ、千歳も。この前俺があんなに説教したっちゅーのにもう忘れとるなんて・・・・。」
「あぁ、やっぱり昨日縛り付けておけばよかった。」
「自分・・・そんな趣味あったんかいな。」
「ないよ。」
「おぉ、蝶子。それに・・・白石?何でいると?」
「いると?じゃないで、千歳!遅刻や遅刻!!中学の時からまったく変わってないなぁ、お前。」
「いやぁ、照れるばい。」
「褒めてへん、照れんな。この前も言うたやろ?いい年なんだから、しっかりしーや!って。」
「いいぞ白石、もっと言ってやれ!」
「蝶子が忘れないようにってどれだけ苦労してるか・・・少しは考えや。」
「考えとうよ!じゃけん、きっちりここにおるばい!」
「きっちりじゃない、30分も遅れてます!」
「おかしいばいね・・・きちんと時間通りには出てきたはずだったのに・・・・。」
「とか言いうて服に猫の毛くっついてるよ、千歳。」
「あ、さっきいた美人の猫の毛たい。」
「私よりも猫ですか・・・・千歳の馬鹿ぁ!」
「勿論お前さんの方が数倍もすぞらしかけん、」
「それぐらいにしいや、二人とも。」
「白石。」
「婚姻届出す前に別れるなんちゅーのは、保証人になった俺が許さへんで。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
「千歳。」
「何ね、白石。」
「蝶子泣かすような事があったら、またお説教やからな。」
「あー、それは遠慮するばい。」
「だったら、もっとしっかりしーや。」
「・・・・分かった。」
「それから蝶子。」
「はい。」
「こんな奴やけど、千歳をよろしゅうな。適度に尻にしいたり。」
「うん!」
「うん、って何ね?尻にはしかれん、亭主関白ばい!」
「無理だね、絶対に無理。」
「あははは!もうそれぐらいにして、早よぉ市役所行って来ぃや!」「うん、ありがとう白石!」
「白石、またな。」
「・・・・・・まったく、世話が焼ける二人やな。」
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