「明日雪先輩と勉強会するんだ。」



デレデレな顔でそう言った鳳にテニスボールをぶつけた。
全く関係のないまた興味ない事を何故俺にわざわざ俺に言ってきたんだ。
しかし鳳はムカつくほどデレデレしていた。


明日は鳳の誕生日。嫌でも覚えてしまっているのはこいつの誕生日がバレンタインデーと被っているからだ。
毎年それなりにチョコもプレゼントも貰う鳳は何故かいつも瀬名先輩から当日に貰えていなかった。貰えていたとしても必ず人伝(宍戸さんや俺などなど)だった。どうせ今年もそんなんだろうと思ってはいたが・・・。
ここまで散々言っているが、全く興味はない。



「よく瀬名先輩がOKしたな。」

「俺もそう思ったんだけど、テスト期間一緒にいれるの少ないから。嬉しいよ。」



にやけっぱなしの鳳に今度は蹴りを入れた。「痛いよ」と口にするが相変わらずデレデレしている。
そもそも瀬名先輩と言う人間はとても、いやかなり面倒くさい人物だ。鳳と付き合うまでかなりかかったのは言わずもがな、事あるごとに周りを巻き込んでは騒ぎを起こす。あの跡部さんを激怒させた事もある。
やはり散々言っているが、全く興味はない。これっぽっちもない。



「というか、お前、勉強教わる必要なんてないだろう。いつも成績上位じゃないか。」

「そんな事はないよ。日吉の方がいつも上だろ?」

「・・・むしろ瀬名先輩が教わる側なんじゃないか?」

「あ、酷いな日吉。」

「いつも宍戸さんと成績張り合ってるって聞くぞ。」

「基礎は理解出来てるんだけど、応用が苦手なだけだよ。」



そう言って日誌をペラペラめくる鳳の背中を思いっきり叩こうとした。が、直前で交わされた。
相変わらずデレデレしている鳳から日誌を奪うと部室の鍵を閉める。俺の後ろを付いてきた鳳の手には紙袋が。



「何だそれ?」

「これ?雪さんからの誕生日プレゼントとバレンタインチョコだって宍戸さんが。」

「・・・今日13日だぞ?」

「誰よりも先に上げたかった、らしいよ。本当に可愛いよね、先輩。」



明るい声でそう言った鳳の背中を今度こそ殴った。拳で。
背中をさすりながら「欲しいって言ってもこれはあげないよ」と言われた。俺だっていらない。
本当に散々言っているが、全く、全く興味はない。



「でもまぁ、よかったな。この後本当に面倒くさい事にできるだけ巻き込むなよ。」

「・・・日吉が、優しい・・・。」



イラッ。
俺はそう言った鳳の足を思い切り踏んずけた。

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