「壁ドンしなよ。」
「は?」
「赤也知らない、壁ドン。」
「いや、壁ドンは知ってますけど・・・。」
「最近彼女と何にもないんだろ?」
「何もないって、押してダメなら少し引いてみたら?って言ったの幸村部長じゃないっすか!!」
「そうだけど、赤也は引きすぎなんだよ。」
「・・・・・・。」
「だから、彼女に今流行りの壁ドンをして、距離を縮めるんだよ。女子はそういうのに弱いって言うし。」
「壁ドンってよく聞きますけど、本当にやってる奴見たことないっす。」
「だから見たい。」
「・・・俺で遊ぼうとしてるでしょ?」
「まさかー。ちゃんと応援してるってー。」
(棒読みで言われても説得力ないっす。)
「何か言った?」
「いえ何も!」
「あ、ほら、丁度彼女来たら早速やりなよ。」
「はぁ!?」
「いたいた切原。あ、幸村先輩こんにちわ。」
「こんにちわ。真田ならいないよ。」
「残念です。でも切原に用があったので。」
「そうなんだ。」
(何か嫌な予感・・・)
「今度の校内新聞なんだけど、男子テニス部の特集で、」
「えいっ!」
ドンっ
「ちょっ!!!」
「わっ。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「ごめんごめん赤也、いきなり押して。」
(思そんなこと思ってもないくせに!)
「・・・切原。」
「な、何だよ・・・。」
「切原って・・・思ったよりガタイいいんだね。」
「・・・・・・は?」
「で、話もどすけど、男子テニス部の特集で切原のインタビュー載せる事になったの。あ、それから幸村先輩もお願いします。」
「俺もなんだ。」
(・・・・・・スルーされた。)
「質問項目これなので、ある程度考えておいて下さい、ってうちの委員長が。」
「分かったよ。」
「切原もね。」
「・・・・・・へーい。」
「落ち込んでる、落ち込んでる。」
「幸村先輩楽しそうですね。」
「赤也の反応が可愛くてね。それより、どうだった?赤也の壁ドン。」
「・・・・・・。」
「あはは、君も可愛いよね。」
「褒められてますか?」
「うん。あ、次は真田にも壁ドンやらせようか?」
「・・・・・・遠慮しておきます。」
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