樹っちゃんのバレンタインチョコレートケーキ教室。剣太郎の発案により今年は女テニに逆チョコをしようという事になった。ついでに雪にもあげたら、という事になりサエさんと俺とで居残り作成中。
そして現在、三戦三敗中・・・・。



「・・・・何故だ。」

「うーん、何でだろうね?」

「とりあえず材料はあるからもう一回作ってみるのね。」

「・・・・うぃ。」



ぺしゃんこになったチョコレートケーキをフォークで指し、口に運ぶ。味は上手いけど・・・・。



「樹っちゃん監修なんだけどね。んー、何でかな?」

「今度はちょっと配分を変えてみるのね。」



樹っちゃんはそう言うと計量カップで材料を計りはじめた。素人には何が変わったのかなんて分かる筈もない。
さっきみんなでやった時はそれすらもてんやわんやでこぼしたり粉まみれになってたな。



「サエさんは誰にあげるの?」

「聞かなくても分かるのね。」

「あ、そっか。でも何でこう何度も失敗するんだ・・・・。」

「あれじゃない?愛が足りないんじゃない?」

「愛情なら入れてる。愛情はあぁいいじょー・・・・ぷっ。」

「はいはい、計り終えたから混ぜ初めて下さい。」



樹っちゃんがそう言ってボールをサエさんと俺の前に置く。素人からすれば何がどう変わったのかなんてまるで分からない。そして、三回も失敗しているのでこぼさないように混ぜる加減も分かってきた気がする。サエさんもそうみたいで鼻歌混じりに混ぜている。



「あと二人ともちょっと混ぜすぎかもしれないから、さっきよりも加減した方がいいのね。」

「・・・分かった。」

「愛情もかけすぎはよくないって事?」

「俺に振らないでほしいのね。」



ボールの中の生地を見つめながら雪の事を考える。
うまくできたチョコレートケーキにラッピングして渡そう。隙あらば一緒に食べよう。それがいい。
そんな事を考えていたら、様子を見にきたバネさんに思いっきり背中を叩かれた。



「ニヤニヤしてんじゃねーよ、ダビデ!」

「え、してた?」

「うん。」

「2人とも焼きあがったのねー。」


2013VD's.


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