「越前君、越前君。」
「・・・・・誰?」
「同じクラスの瀬名雪!」
「・・・・・。」
「しかも、隣の席!」
「・・・・・あぁ。」
「クラスメイトの名前ぐらい覚えてよ・・・・。」
「で、何か用?」
「うん、あの、聞きたい事があるんだけど、いい?」
「何?」
「越前君って、男子テニス部、だったよね。」
「そうだけど。」
「じゃ、じゃぁさ・・・・。」
「はっきり言ってくんない?」
「ごめん!えっと、海堂先輩って知ってる?」
「・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
「・・・・あれ、もしかして、聞こえてなかった?」
「聞こえてはいた。」
「あ、そう。それで・・・・。」
「知ってるけど。」
「そっか、そうだよね、レギュラーだもんね。」
「俺もレギュラーなんだけど。」
「あっ、そっか。それで、海堂先輩って、どんな人?」
「どんなって言われても・・・・。」
「たとえば・・・好きなものとか・・・好きな事、とか・・・・。」
「何、あんた海堂先輩のストーカー?」
「違うよ、ファンだよ、ファン!!!」
「ふーん。」
「ふーん、って・・・・・。」
「あっ、猫。」
「猫?」
「猫に餌あげてるの何回か見た事ある。」
「え、海堂先輩が?」
「そう。」
「・・・猫、好きなのかな?」
「さぁ?」
「とりあえず、ありがとう越前君。」
「瀬名。」
「何?」
「情報料。ポンタでいいよ。」
「・・・・・・・・。」
「海堂先輩。」
「何だ、越前。」
「夜道は気を付けた方がいいっすよ。」
「は?」
←