「いらっしゃいま・・・げ。」

「げ、って何やねん。客やで、客。」

「イラッシャイマセ、ゴ注文ヲドウゾ。」

「めっちゃ片言やん。まぁ、えぇわ。コーヒー。」

「はいはい、いつものですね。」

「それから・・・・スマイル一つ。」

「申し訳ありません、現在品切れ中です。」

「いつごろ入荷予定なん?」

「未定です。」

「この前はあったやろ、スマイル。」

「生憎、この前でなくなってしまったんです。」

「・・・・・相変わらず冷たいなぁ、秋子ちゃん。」

「相変わらず軽いですね、忍足さん。」

「誰にもこうって訳やないで?」

「嘘だ。」

「嘘言うてどないするん?」

「この前も一緒に来てた彼女にそんな事言ってましたよ?」

「言うてへんって。それにあれは彼女やない。」

「そうなんですか?」

「あぁ、自分だけやで?」

「・・・そういうのが軽いんですよ。もう忙しいんでいいですか?」

「俺しか客おらへんのに?」

「・・・・・・。」

「ほんまに冷たいなぁ、折角今日誕生日やから祝うてもらお思っとったのに。」

「え、誕生日なんですか?」

「でやで、祝う気になった?」

「・・・お待たせしました、コーヒーです。」

「スルーかいな。まぁ、おおきに。」

「・・・・別に祝わないとは言ってません。」

「え?」

「ケーキどうぞ、私からのプレゼントです。」

「ええんか?」

「・・・私の気が変わらないうちに食べていただけると嬉しいです。」

「・・・素直やないな、自分。」

「余計なお世話です・・・・忍足さん。」

「ん、何?」

「・・・・お誕生日おめでとうございます。」

「・・・おおきに。それにスマイルも付けてくれへん?」

「・・・品切れ中です。」

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