バン!と大きな音を立てて絢ちゃんは私の机に両手をついた。
「何で一緒に帰らないの!?」
「あっ、絢ちゃん・・・・。」
私は絢ちゃんを鎮めると、絢ちゃんは渋い顔でイスに戻った。
この前の放課後の事を絢ちゃんに言ったら関心された後、何故か怒鳴られた。
絢ちゃんは腕を組むと、ため息をついた。
「雪は詰めが甘いよ。」
「そっ、そう?」
「そう?じゃない!!折角のチャンスを!!」
「うぅ・・・・・。」
「一緒に帰るのが無理だったら、アドレス交換するとか・・・・。」
「でっ、でも話しして、チョコ貰ったよ。」
「チョコはいいとして、何の話?」
「えっ・・・・・部活の事とか・・・・。」
「・・・・・・・はぁ〜。」
絢ちゃんはまたため息をついた。
そして机の上にのっている紙パックにささるストローを噛む。
「もうちょっと勇気だしなよ。」
「勇気って、私はまだ・・・。」
「雪そう思ってなくても、周りにはそう見えるの!」
「・・・・。」
「あとほら、雪と委員会一緒で東堂が好きなB組の星野さん?あの子もそう思ってるみたいだし。」
「えっ、えぇ!?」
「相談受けた時、アンタの話ししてたから。」
絢ちゃんはストローから口を離すと、机に肘をついた。
絢ちゃんはお姉さん肌で、よく他の子の相談にものっているらしい。まさかあの星野さんも彼女に相談していたとは・・・・。
「大丈夫、彼女と二人で応援するから。」
「おっ、応援って・・・・。」
「まずは・・・・・。」
絢ちゃんはそう言って腕を組む。
こうなってしまった絢ちゃんを止めるのは、同じ小学校だった私でも難しい。
「スポーツ大会当日とかにやる仕事を一緒する事だね。どうせ今日決めるんでしょ?」
「そうだけど・・・何で絢ちゃんが知ってるの?」
「星野さん情報。彼女も東堂と一緒の仕事できるように頑張るって言ってたんだから、雪も頑張れ!」
「・・・・・・。」
「ほらほら、時間時間。」
絢ちゃんがそう言って教室の時計を指差した。後五分で委員会が始まる時間だった。
私は急いでお弁当箱を片付けると、筆記用具を持って立ち上がった。
そんな私に絢ちゃんはガッツポーズを送ってきた。
「雪、勇気出すのよ!」
「・・・・・・・。」
私は彼女にばれないように小さく大気を付くと、足取り重く教室を後にした。
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