「切原、はい。バレンタインのチョコ。」
「な、何だよ会うなりいきなり!」
「だって切原、一番最初にあげないと拗ねるって聞いて。」
「だ、誰から聞いたんだよ!?」
「幸村先輩。」
(部長・・・!!)
「だから今年は一番に渡しにきたんだよ。」
「・・・ほ、本当に一番最初か?」
「うん。」
「さ、真田副部長よりもか?」
「だから言ってるじゃんか、切原に一番に渡しにきたって。」
「・・・・っしゃ!」
「あ、喜んでる喜んでる。」
「ま、まぁ別に、一番最初じゃなくても拗ねねぇけどな!」
「本当?」
「信じてないだろ、お前!?」
「まぁ、そういう事にしといてあげるよ。」
「な、何だよその言い方!!」
「お前達、昇降口で騒ぐとは!たるんどる!」
「げ、副部長!」
「あ、真田先輩!これ、バレンタインのチョコです。」
「あぁ、ありがとう。・・・二人共、ホームルームに遅れないようにな。」
「へーい。」
「はいっ!」
(副部長に完全に持ってかれた・・・・。)
「はぁ、今日もかっこいい真田先輩。朝から会えるなんてラッキーだわ。」
「・・・・。」
「あ、拗ねてる?」
「す、拗ねてねぇよ!!」
「仁王君、考えましたね真田君に変装するとは。」
「プリっ。どうじゃ、完璧だったじゃろ?あの二人もペテンに見事にかかったぜよ。」
「しかし、そのチョコは後で真田君に返した方がいいでしょうね。」
「・・・プリっ。」