「私は怒っています。」
「いきなりだな。」
「私は怒っています!」
「それは今聞いた。」
「黒羽春風!今日が何月何日で何の日か言ってみろ!」
「2月14日バレンタインだろ。」
「そう、バレンタイン!」
「何だよ、そんなにお前よりも先にチョコ渡したのが気に食わなかったのかよ。」
「それもあるけど、今はそれじゃない!!」
「じゃぁ何だよ。」
「・・・逆チョコは嬉しい、すごく嬉しいです。」
「そりゃよかった、」
「しかし!!!嬉しいけどこれはどうなの!?」
「これ、ってチョコだろ?」
「チョコなのは分かってるよ!そうじゃなきて、何で板チョコなの!?」
「急に用意できたのが弟のおやつのそれしかなかったんだよ。」
「かわいそう!・・・じゃなくて、ふつう板チョコはないよ!ほら、参考にさっきサエから貰った逆チョコを見なよ!箱、リボン、全部完璧でしょ?」
「まぁ、そうだな。」
「そしてこれもさっきダビデから貰ったハートおせんべいを見なよ!ここ!『いつもありがとう』のシール付!」
「それさっきコンビニで買ってたや、」
「それに比べてバネさんのはどうよ!?板チョコだよ?しかも銀紙包装オンリー。しかももう半分ないし。」
「さっきも言ったろ、弟のおやつだったって。それに、その方が俺らしくていいだろ?」
「そりゃ、そうだけど・・・・・・・後で弟君にちゃんと新しいの買ってあげるんだよ。」
「まぁ平気だと思うが、一応そうしとくわ。というかお前、俺から貰う前にもうそんなに貰ってたのかよ。」
「うん、サエでしょダビデに剣太郎、亮にサトに樹っちゃんにもね。バネが最後。」
「樹っちゃんの後だったのかよ俺。」
「うん、でもインパクトはバネが優勝。」
「それ褒めてんのか?まぁいいや、ありがとなチロル。」
「こちらこそありがとう。」