「寒い。」
「師走に入ったのだから、当たり前だ。」
「柳、寒くないの?」
「俺は平気だ。」
「やっぱり鍛えてるから?」
「それも少しはあるだろうが、俺は制服の下にセーターを着ているかなら。」
「いいなぁ〜。私なんてマフラーも手袋も持ってこなかったよ・・・・。」
「女性が体を冷やすのはよくないな。」
「そう言いながら私の前でマフラーを巻くんですね、柳君。」
「勿論だ、寒いからな。」
「うぅ・・・・一応彼女なんだから彼女に貸してあげる、とかいう選択肢はないの?」
「ないな。」
「即答ですか・・・・。」
「だが、流石にお前をそのまま帰すわけにはいかないな。」
「じゃぁなんですか?カイロでもくれるんですか?」
「生憎俺はカイロは持たない主義でな。」
「嘘だ!今日赤也から貰ってたじゃん!」
「仁王が寒そうにしてたらかあげた。」
「・・・・・・・。」
「雪だるま。」
「何?」
「カイロはないが、お前にと買っておいたショールならここにある。」
「・・・・え?」
「クリスマスプレゼントにと買っておいたんだが・・・・・仕方がないな。」
「・・・・・・・ありがとう。」
「あぁ・・・・・・・・羽織らないのか?」
「なんか・・・・・勿体なくて・・・・・。」
「それではそれの意味がないだろう。使ってくれ。」
「・・・・うん。」
「それから。」
「うん?」
「手なら貸してやるぞ。」
「・・・・・お願いします。」
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