どう〇する者達
さて、お次は太郎の村へと遊びに行くことになった
太郎は少し顔を赤くしてそわそわしている。自分の村を見て欲しくて仕方がないのだろう


「それでは私の村、『カミの村』へようこそおいで下さいました」
「「……え??」」


本人は至って真面目な顔で語っているが、名前のセンスが如何なものかと二人は聞いたと同時に思った
そして黙ることを知らない審神者はついつい言ってしまった


「ないわ」
「こらっ!めっ!!」
「!!!」
「いや…だって、カミの村って…ないわ。こんのすけ以上にないわ」
「何だとコノヤロー!!」
「(シュン)」


真顔で落ち込む太郎を余所に2人は言い争いをしながら太郎の村へとお邪魔をすることになった
カミの村は至って普通であった
審神者の想像では至る所に金の薔薇とかが植えられているのかと思ったが視界に入る植物は殆どチューリップばかりだ
フルーツも太郎に似合わない可愛いサクランボ。住民も殆どが可愛い系の女の子
しかし普通なのはここら辺だけであった




「ここが私の自宅です」
「おお黄金の…屋根」
「目が…チカチカ…」


ここの自然豊かな村に不釣り合いな黄金の家が建っている
屋根が眩しい。金というのはここまで光るものなのか…
太郎に施され自宅の中に入ればそこは外よりも異質な空間であった


「「……OH、GOD」」
「私の自宅です」
「………ぎゃあああ!!しまった見つめ過ぎた!目がぁ目があああああ!!!!」
「うぅこれが…黄金聖闘士の力!!」
「?」


余りの金ぴか具合に審神者とこんのすけは入ったと同時にOH、GODと呟いてしまった。
何故二人はそう呟いたのか…それは家の中が全て金色で統一されているからであった
まず先に出迎えてくれたのは厳つい金の甲冑2体
黄金シリーズで揃えられた家具に壁紙や絨毯も金。村のどこにもなかった金の薔薇が家の奥の部屋に何輪も飾られてあるのだ
手前も奥の部屋も金だらけ。金しかない


きっと見つめすぎると目が殺られるだろう。だけど隅々まで色々と見てみたいのも事実
ゆえに好奇心が勝り見つめすぎたこんのすけはバルスを直に受け、ゲーム画面から手を離し自らの目を押さえ悶えた
また審神者も目が痛いのを堪えつつ太郎の部屋を物色し長居した為、スターライトエクスティンクションを受けてしまったが何とかクリスタルウォールで防いだ。しかし相手の方が威力が強かったのだろう、少しダメージを食らい苦しげな表情でゲームから手を離した
カミの村…いやカミの家であった


「今更気づいたけど…なんで金の甲冑着てんの…」
「服装も金…髪も金髪…」
「「((金だらけ))」」
「ダメ…ですか?」
「「((目が痛い))」」


何故そこまで金に拘るのかとさり気無くこんのすけが聞いてみると、神=金だと思っていた。と言われてしまいこんのすけは開いた口が塞がらなくなった
金でしょう。とキリリとした真顔で言われても、とこんのすけは困った。
審神者に至っては静かに太郎の自宅を抜け出ており海で釣りをしていた。なんでも目が疲れてしまったからちょいと休憩がてら釣ると言い出しスズキばかりを釣り上げている


「…おい!なんだここ!スズキしか釣れないじゃないか!鈴木産地のスズキか!?あ゛!?」
「なんですか鈴木産地って…うわっホントだ。スズキしか釣れない」
「えぇ私もこの一週間の間、釣り上げた魚はスズキしかいません」
「ダメじゃん!」
「クソじゃん!」
「ク…ソ…」
「神は神でも貧乏神…」
「(ガーン!!)」


審神者が二十回釣りをした内の二十回全てが鈴木産地のスズキを釣り上げた。
同じくこんのすけも10回程度釣りをしてみたが見事にスズキのみを釣り上げた。
博物館の中も大きな水槽にスズキしか入っていない
なんという鈴木産地のスズキに呪われた村なのだろうか
確かに自宅は黄金聖闘士の為の神々しい家の様であったが外はスズキで呪われていた
いやわかるのだ。釣りをしていて「お!大きい奴来た来た!」と思って釣り上げたらやっぱりスズキ。憎く感じる程スズキが出てくることはざらにあるからよく分かるのだ。
しかしスズキしか釣れないとなるのは…それはもうおかしいだろう。
どれだけスズキに愛されているのかこの男は
村の名前はスズキの村にした方がいいと審神者は切に思ってしまった
川はどうなのかって?川には一匹も魚がいなかったのだ
川の周りを何往復歩いても魚の影すらも見当らなかったのだ
太郎も川で魚を見かけたことはないと言う
バグってるとしか言いようがない


「金とスズキに執着しすぎ。バカ」
「(´∩`。)」


厳しい審神者のお言葉を頂いた太郎であった


「さて、次は私だな」
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