前を向いて
「お前、本当に嘘ついてばかりだよな」
「言ってること全部意味わかんねーし」


苦しい……


「俺の事色々と知っているってのも気味悪いしな」
「あぁそうだ!お前に相応しい名前を俺たちが考えて来てやったぜ!ありがたく思うんだな!」


どうして……


「よろしくな!狼少女マシロさんよ!」
「酷い奴だなお前」
「酷いのはお前もだろ!一緒に考えたんだから俺だけの所為にすんなよな」
「「ははははははははは」」




【狼少女は嘘をつく?】








「知ってたのに何で言わなかったの!?」
「お前、なんでそのこと知ってんだよ…」
「わかってて、お前は動かなかったのか」


私を……




「ほんと…だ…マシロの言った…通り…だ」
「どうして私達は…疑っていたんでしょう…か」
「お前は…誰だ…」


信じて……




「しまったな。彼女がこの計画の全てを知っているとは…先に消すべきは彼女だな。だが、彼らが彼女を信用せず疑ってくれているのは此方としてはありがたい。無知な彼らには助かってばかりだ……彼女は何一つ…嘘をついてはいないよ」




【狼少女は嘘をつかない?】






「苦しい苦しい苦しい…どうして、私を信じてくれないの!?」




「一人は嫌だよ……怖い怖い…お願い…一人にしないで……私を…許して」








「おい、なんだよありゃ」
「マシロ……さん?マシロさん!!」
「カノン!どうした!」
「あ、あぁ生きて…生きていたんですね…良かった…よか…」
「生きて?おい泣くなカノン!一体どう言う事なんだ!…彼女は誰なんだ」
「ごめんなさい。ごめんなさい…あなたの言うことは全て正しかったのに!」








「この世界で死ねば私は元の世界に帰れるかもしれない。さぁ来なさいよ、お前が私よりも強いのなら…………殺して。私を帰して」




【狼少女は死を望む】








「……………………………………………………………………………………死にたくない」








【狼少女は生を―――――――】
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