歓迎会
もふもふおふとぅんの上でごろごろする
そして私は天井に向かってため息を吐いた
変わった


支部長室に向かう時、部屋に帰る途中…色々周りを見たがここ極東は変わった
3年間という大きな時間の中…人も、場所も、景色も変わった
変わっていない所も多いけど変わった所も多い
新鮮すぎて馴染めない


ベッドの上で手足を広げ大の字になる
そして彼女のことを思い出す
決して忘れてはいけない過去、忘れたい過去、なかったことにしてもう一度取り戻したい過去


彼女は元気だろうか
あっちはどうなっているのだろうか
一人ぼっちなのだろうか
泣いていないだろうか
…いや、私は彼女のことを案じていい人間ではない
それは許されない


彼女に恨まれた方が楽だった
怒られ嫌われた方がマシだった
彼女は私の事をわかっていた
だからこそ私の為に泣いてくれた
いつも笑顔の彼女が私の前でだけ泣き喚いた
そして泣きながら笑った


知ってた、と
何も悪くないのだと
受け入れると


私も泣いた
救えなくてごめんねと
何も出来なくてごめんと
何もかも言えないことを許して欲しいと


そして
このことは私達2人だけの秘密であると


あの時起こりうる全ての事を、彼女の運命を知っていたくせに…なにもせずただ傍観していたクズなのだ私は


怖かったのだ
原作を、来たるべき未来を私の行動一つで変えてしまうことが
まぁ、私が此方の世界に来た時点で全て狂ってしまってはいるのだろうが…


彼に良く怒られていたな
彼女のことを大切に想っていた彼に


『知っていながら何故何もしなかった!』
『何故何も言わなかった!』


いや…私は皆に伝えてはいたのだ
それを受け取ってくれなかっただけの話


『お前は仲間を見殺しにしたのと変わらない』


彼に一番言われたくない言葉まで受け取った


全ては私が悪いのだと
私の存在が許せないのだと




私達だけの秘密


貴方を失いたくないから


私は秘密を破った


きっと破らなくても


全て同じだっただろう


私が嫌われ居場所を失い消えるか
嘘の笑顔を張り付け日々泣き続けるか


どちらかの道しかなかったはずだ
私は消える方を選んだ


どちらが正しくて
どちらが間違いか
そんなものわかるわけない




でもわかったことが一つ
この先は何も知らない
何が起きようとも
私は何も知らない
わからない
霧がかった何も見えない未来しかわからない


私はこのままでいいのだろうか
私は死ぬのだろうか
生きていられるのだろうか
彼らに嫌われるのだろうか
また逃げて消えてしまうのだろうか


元の世界に帰るのだろうか




思い老けている所に静かなノック音が響いた
無視しようと思ったが、ブラッドの誰かではない知らない気配を感じ取った
ドアを開けるとそこにはまぁなんというか、愛らしい?可愛らしい?そんな感じの女の子と逆に凛々しくてクールな感じの眼鏡の女性が立っていた




ん?だれ?
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