血の覚醒そして新たな仲間
―sideジン―





事件は朝から起こった
事の発端は、エミール様である。
朝のお食事に姫を誘おうと姫の部屋に出向いた。いっつも行かないと言って部屋に籠る。
俺がいや、皆が話しかけてると何時も苦しそうな、辛そうな雰囲気を出す。んだから無視すればいいのに(皆で姫に詰め寄ったりするときは無視されてます)もう話しかけるなとか言えばいいのに、姫は心から優しい人なんだろう
他人を邪険に出来ない。頼まれたら断りきれない。表情は変わらないが雰囲気でわかる。辛そうなのにちゃんと相槌を打ったり、口数はす――ごく少ないけど相手の目を見て一言二言話す。
だから俺は諦めない。いや!諦めるつもりはない!!
俺はただ姫が心から笑えることを望んでいる。ただそんだけだ


そしていつものように食べに行こうと言ったのだが一向に返事が返ってこない
おかしい、何かあったのか?
俺が部屋の前で唸っている時、奴が…地雷マシーンが現れた


「ふふっ清々しい朝だ。こんな日の朝は紅茶を2杯、いや!3杯はおかわりしたくなるッ!そうだろう友よッ!!おはようッ!!」
「相変わらずお前は元気だよね〜そしておは…ん、ちょい待ちちょい待ちエミール!?」
「ん?どうしたのかね友よッ!僕の顔に何かついているかなッ!」
「君の顔じゃなくて君の手に!なんで神機握ってんの!?」
「あぁ何故僕がポラーシュターンを持っているかということか。それはラケル博士に彼女を部屋から引っ張り出すように頼まれたからだッ!」
「ラケル博士から?」


会話しつつエミールは俺に後ろに下がるように手で合図を出しながら姫の部屋へと一歩一歩近づいていく
あぁ、嫌な予感しかない
ちなみに何故俺が止めに入らないかというと、チラッドキッ姫の生着替え中いやーん!!
を期待しているからだ
ゴクリッ


「聞けば彼女はいつも部屋に籠っているそうじゃないかッ!ダメだッ!部屋に籠りっきりは体に良くないッ!それに!食事はあるべき場所で取るべきッ!だぁぁッ!」


エミールは神機を振り上げ扉を破壊した。
俺はすかさずエミールの隣に行き中を確認した!
生着替え中!
ではなく


「死ね」


寝間着姿の姫が扉の前で神機を構えており躊躇なく撃った


「あ、ありがとうございますぅぅぅぅ!!」
「のぁぁぁぁぁぁぁぁなぜだぁぁぁぁ!!」


そして俺達は昇天した
生着替えではなかったが姫の寝間着姿!いつも敬語なのに死ねって!死ねって言われた!!最高です!!
あ、言っとくけど俺Mじゃないからね




ちなみに姫が神機を持っていたのはたまたま昨日の任務が夜中にあって帰って来た時眠すぎて元ある場所に返すのを忘れて部屋に持って行ってしまったとのこと
俺に返事しなかったのはまだ夢の中にいたらしい。エミールが来た時に嫌な予感がして目が覚め、何が来てもいいように神機を構えていたとのこと
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