嫉妬と憧れの過去
1人の少女に憧れた女の子は憧れ故に嫉妬をしてしまいました。


最初から少女に憧れていた自分を認めたくなくて意地を張り続けてしまいました。


女の子は自分にない物を持つ少女が羨ましく、また自分にも羨んで欲しいと思っていました。


我儘を言っても困った顔で許してくれる少女が嫌いでした。


女の子は言い返して欲しかったのです。


お互いが気を使わず言い合える存在になりたいと思っていたからです。


意地っ張りでプライドの高かった女の子は不器用で。


どうしても思っていることと反対のことをしてしまっていました。


少女が少女ではなくなった後も素直になれない女の子はまたも同じことを繰り返してしまいます。


少女は困った顔をしなくなりました。


死んだ魚のような目で悲しそうに違う場所を見るだけです。


違う世界に行ってしまったかのような少女が怖くなり何とか必死に留めようとしました。


その方法も不器用な女の子は不器用なやり方で少女を傷つけてしまいました。


少女が消えた後、女の子は大きな声で泣き叫びました。


そして自分を責め立てました。


消えた少女を探すために女の子は走り続けます。


一度として謝るということが出来なかった為に。


謝るために。


全ては憧れ故から始まったお話。


自分ばかりが追いかけていくことの悲しみ。


そして同じであるはずなのに大きな壁に隔たれて近づけない悔しさ。


そして生まれた嫉妬という感情。






女の子は走り続けます。


走って走って走った先に少女は立っていました。


会いたくて会いたくて堪らなかった少女にようやく会うことが出来ました。


3年という長い月日が経ちました。


その長い月日の中で女の子は変わりました。


また少女も変わっていました。


女の子は素直になり、人の気持ちを汲んであげれる子になりました。


少女は深い深い殻に閉じこもり自分らしさを消した子になりました。


女の子は過去のお陰で強くなりました。


少女は過去のせいで捻くれていきました。


女の子の目の前に立つ少女は昔の女の子の様な目をしています。


憎悪と嫌悪に満ちた目です。


少女の目の前に立つ女の子は昔の少女の様な目をしています。


悲しみと苦しさが混じった目です。


お互いの立場が逆転してしまいました。


憧れと嫉妬を持っていた女の子はこれより先どういう行動を取るのでしょうか。


果たして二人はどのような物語を綴るのでしょうか。


唐突に終わった物語はまたも始まりを迎えます。


白紙の続くページに何が書き込まれるのか。






これはとある一人の弱い少女に憧れそして嫉妬した不器用な女の子の昔話。
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