音が変わる
「っ!?」
「気安く私に触らないでください!」
「アリサっ!あの…私」
「っ…私の過去を知って何がしたいんです。バカにしたいんですか侮辱したいんですか?」
「違うっ」
「私より弱いくせに…最弱のくせに…」
「…」
「私と同じ新型だと信じたくないんです!あなたみたいな!あなたみたいな弱い人が私と一緒だなんて許せない!!」




アリサはいつだって私を見下す
入って来た時からそうだ
バカにしてるのも侮辱してるのも…貴方の方じゃない




「私より弱いくせに!私のことわからないくせにわかったような口聞かないでください!」
「迷惑なんですっ!」
「私の前に出ないで!」




何度何度何度…迷惑と言われ続けたか




「弱いくせに…なんで…そんなに上手いのよ…」
「私を認めてよ…なんで!?なんでなんですか!?どうして認めてくれないんですか!?」




認めろという彼女は私を認めない




「私は貴方が憎いです。弱いくせに、貴方のその頭の回転には…指示には…勝てない」
「貴方みたいに…」
「新型…同じなのに…」






いつだってアリサは私を恨んだような、憎んだような顔で見る
最弱だと罵る癖に認めろと言い続ける
何を認めて欲しいのか
私が彼女に何をしたのか
いつしか彼女の目が怖くなっていた
彼女と同じ任務を受けるのが怖くなっていた
ゲーム画面で見ていたアリサとは程遠いアリサに怖くなった


ゲームだけでは分からない
隠されたものが、見えなかったものが此処に来て分かった。見えるようになった
それは恐怖となった




「貴女が居るから嫌なんです。貴方と行動を共にしたくないし貴方と共に何かをやりたくない………貴女に負けたくない」




アリサはいつだって私を憎んでいた


















「私も」










「私を憎んだ目で見てくる貴方が憎いです」
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