虚実の過去
一人ぼっちの少女に彼らの態度も一変しました


任務の時は開始同時にリンドウさんから戦わなくていい。ここは安全だから終わるまでここに居てくれと取り残されました
私が黙って後をつけて彼らがメインのアラガミを狩っている近くで小形を狩っていると、偶然居合わせたリンドウさんにバレた時聞いたことも無いぐらいの声で怒鳴られてしまいました


リンドウさんが建物の中に取り残され私達はアラガミ達に取り囲まれ、何とか危機的状況を回避しリンドウさんを残し、帰って来たエントランスの真ん中で泣きながら動こうとしないサクヤさんを慰めようとした時は、彼女に伸ばしていた手を振り払われ大切な人を失くしたことなどないくせに、薄っぺらな励ましと薄っぺらな慰めなどしないでと叫ばれてしまいました


エイジス計画に賛成の色を出したコウタにダメだと考え直して欲しいと請えば、彼は私を睨み付け守るべき大切な家族があるんだお前にこの気持ちが分かるかと言い放たれてしまいました
私は止めることが出来ませんでした


アリサの過去を克服させてあげたかった為、負けないでと伝えれば、アリサは私より弱いくせにわかったような口聞かないでと目を吊り上げ頬を叩かれてしまいました
きっと最弱の奴に言われたことが彼女のプライドを傷つけたのでしょう


同じ任務で私を置いて何処かへ行こうとするソーマを呼び止めれば、これ以上俺に近づくなイライラすると拒絶されました
私の方を振り向かず去っていった彼の背中を見ることしか私には出来ませんでした


嘘ばかりを言う私に呆れたのかユウは、これ以上嘘つかないでと傷ついた顔で請われました




誰かに言っても真実が嘘へと変わっていく
誰にも信じて貰えず離れていく彼らに次第に少女は心を閉ざしていきました
だからシオが好きだと、抱き着いて来てもこれは何の罰ゲームなのだろうか。シオも可哀想にと他人事のように笑顔を向けてくるシオを見ていました


一人ぼっちになっても時は進みます
神機使い最弱のレッテルの上に嘘つきのレッテルを貼られても時は進みます
傷はより増えました
目に見える傷と見えない傷
少女のキズは増えるばかりです


そして一人ぼっちの少女はある日、死を味わう恐怖の出来事が起こります。
いつも任務に挑む時に起こる恐怖ではありません
死にかける
死と直面する恐怖
それは少女の人生を、少女を変える出来事でした
この日を境に少女は少女でなくなりました


死という恐怖により極限を越えた心と体は最弱の少女を殺してしまいました
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