居場所
リンドウさんのアラガミ化
皆、エイジスに集まる
私も呼ばれたが只の傍観者
原作と同じ流れになるのならこのままユウがリンドウさんの神機を手に取って助けるだけ


なのに、それでいいのに


私は傍観者になっていればいいのに
なんでレン君は私にリンドウさんの神機を差し出すの?
なんで私が駆け出してるの?
なんで私がリンドウさんを救ってるの?


皆の驚愕の顔が横目で見えた
あぁ私なんかに助けられるリンドウさんは可哀想
忌み嫌う相手に助けられる


屈辱
怒り
悔しさ
絶望


私はなんてことしてしまったのだろうか
皆に、リンドウさんになんて思われるか
弱り切っている私にはもうこれ以上無理だった


だから


リンドウさんを助けた瞬間白く光る輝きを盾として私は逃げ出した






あれからどんなに捜索していっても日向マシロを見つけた者はいない
痕跡さえもない
ある人は言った。偏食因子の投与を行っていない体でずっといることは出来ない。もうアラガミ化しているはずだと

ある人は言った。彼女の心に声を傾けなかった結果であると

ある人は言った。唐突に現れ唐突に消え。真実か嘘か分からぬ彼女はまるで霧のようだと

ある部隊は嘆いた。俺たちのせいだと。何故信じてやらなかったのか、彼女の言っていたことは当たっていたじゃないかと。何故本当の彼女を見てやらなかったのかと。

命を救ってくれた彼女はもういない
ひたむきに励まして気遣ってくれた彼女はいない
笑顔の彼女はもういない


そして彼らは絶望した。






3年の月日が流れた今も彼らは、命を懸けて救ってくれた少女を見つからないとわかっていても探し続けていた。黒い靄と絶望を胸に抱えて
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