極東支部へ
あれから寝ていない為寝不足です
今ロビーに皆で集まっているけど私は一人戦っています
眠気と戦っています
座ったら確実にKO負けするので立ったままファイティングです




赤い雨が降り続く中フライアは極東に向けて走る
止まらない雨
止まらないフライア
止まらない不安な私の心


「現在、フライアは赤い雨の中を通過中。いかなる理由であれ屋外に出ることを固く禁じます」
「はーい、良い子は雨の日、外に出ちゃいけないもんねー」
「……赤い雨が続くな」


皆憂鬱という感じだ


「極東に範囲に入りましたからね。やがて極東支部に到着するのでは…」


シエルの言葉に私は少し肩を揺らして反応してしまった
下を向いているから気づかなかったが皆それぞれ何かしらの思いを抱いて私を見ていた
そうか…
極東の範囲に入ったのか
もう逃げることに諦めました。諦めていないけど
どうせ抗ったところで行くことに変わりないのだから
ただ取りあえず
私は極東の、あの人たちとは仲良くやるつもりなど毛頭ない
彼らと関わらなければ済む話なのだから


「赤い雨って、前の神機兵護衛任務の時に降ってたやつ?あの赤い雨に濡れたら、マジでやばいんだよね?」
「何だっけ、あれでしょ。コクシャ…コクシェ…」
「“黒蛛病”…」


黒い蜘蛛の病気…


「赤い雨に触れることにより、高い確率で発症する病。通称、黒蛛病。現段階において、有効な治療法は確立されておらず発症した場合の致死率は…100%とされています」
「…」
「ぬ…濡れなきゃいいだけだよ」
「病気はやだねぇー。食欲なくなっちゃう」
「現在、フライアは“赤い雨”を抜け、極東地域を南下中です」


100%、ね
私は発症すらしてないけど
前から浴びてても発症してないからきっとしないんだろう
だったら私は雨の日でも動ける
皆が動けないとき私は任務に行くことが出来る
まっポジティブに考えて都合のいい体だと思っておこう


珍しく無表情のジンさんが私を見ていたことなど露知らずに






「繰り返します。現在フライアは“赤い雨”を向け極東地域を南下中です」


2人の博士は話し合う


「ラケル、そろそろ教えて欲しいのだけど。極東に来たホントの狙いは…何?」
「グレム局長にお伝えした通り、神機兵とブラッドの運用ですわ、お姉さま」
「なら、良いのだけど…」


1人の博士は少し納得できていない様子


「神機兵は私達の悲願。何があっても、認めさせなくては…」
「えぇ、その通りですわ、お姉さま。彼らにはしっかり働いてもらいましょう。」




「特に…彼女には、ね」
「え?何?ラケル?」
「いいえ、何でもありませんわ。お姉さま」


1人の博士は不敵に笑う


「あら?もう極東支部が見えるようですよ。お姉さま、ほら」






1人の魔女は笑う
ここからが始まりだと
自分の目に留まった不思議で不可思議な新しい人形はどのように動いて壊れてくれるのか
だけど警戒はしなくてはいけない
もしかしたら自分にとって都合の悪い存在かもしれないから
でも私の人形だから
私の人形には変わりないのだから、と


魔女は笑う


皆はこれからの事に色々な思いを寄せる


ある隊長は少し眉を寄せる
極東の事、彼女のことを思いながら


ある男は寝そべり雑誌を読んでいる
何も考えずけれど何かを考えているかのように


ある少女は前よりも少し柔らかくなった雰囲気を、表情を完全に消し無を徹底している
その顔は何を考えているかわからない
堅いその表情は全てを拒絶するかのように鋭い
だけれど、少女の手は震えている


帰って来た
3年前の、私の元いた場所に
逃げれはしない
帰れはしない
消えはしない
消えることなどない


過去は、消えない


思いは、消えない


貴方たちが、嫌い








舞台は極東
少女の本当の戦いが始まる場所


そして来たるべきある未来






この舞台で






異分子の少女は―――
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