血の覚醒そして新たな仲間
―sideジン―




最悪
なにが最悪って?
タバコが切れたこと
そんで切れたから動きたくねーのにアラガミ来るしエミール吹っ飛ぶし周り俺だけだし
ここに誰か他のやつがいたら戦ってもらうんだけどなー
タバコ切れてんのに戦えとか
死ぬほど辛い
ニコ中舐めんなよコノヤロー


「ちっ!タバコ切れたときに出てくんなよめんどくせーな」


だがこのアラガミ…俺ちゃん見たことない奴よ
しかもなんかしらねーけどつよそーだし
ほんっとめんどくせっ


あぁ向かってくるアラガミが姫だったらどんなにいいことか
両手広げて歓迎するのに
こうギュッと!ギュッとね!
案の定妄想してたら吹き飛ばされた
咄嗟の判断で受け身は取ったが痛いものは痛い
いてーなちきしょう
いーだろ少しぐらい


「だけどまぁちょいとやべーかも」


今の俺じゃ勝てそうにもない相手だ
本気出さないとな
それに


「こんな所で死ねないしなぁぁ!!」


体の奥底から感じる強い不思議なものを外に吐き出すかのようにアラガミにぶつけた


「おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


なんだこれ
あの巨大なアラガミが俺の一撃で吹っ飛んだ
俺、がやったのか?


だが敵は顔に傷を負っただけで此方に近づいてくる
おいおい冗談だろ
もームリよ


まぁここですかさず俺の仲間たちが援護しに来てくれた
さすが俺の仲間
最高のタイミング
仲間の援護射撃を喰らったアラガミは俺達を睨んで逃げて行った


「大した奴だ…よくやった」
「おーよ。俺だってやれば出来る子なのよ」
「あぁ。立てるか?」
「ヤローの手借りなくても立てまーす」


不思議なものはもう感じない
ヘリで帰還中ふと先程の戦いを思い出す
なんか少し変だったんだよな
なんつーか、なんだ?
一瞬
そう一瞬だ
あいつに攻撃する直前、あのアラガミがいきなりよろめいたんだ
そん時頭に血が上って必死になってた俺は気が付かなかったが、冷静になった今わかる
やっぱし変だった
それにジュリウスも他のやつらも言ってた


「おかしいな。血の力…一つではなく2つ感じとった」
「うん。なんかもう一つ不思議な感じがしたよー」
「俺たちの誰かってことか?」
「えー!俺じゃないよ!」
「何故ッ!何故だポラーシュターンッ!」


こりゃ一体どういうことだ
俺以外にも目覚めた奴がいるのだろうか
だが他のやつらの顔見てもそんなん居なかったしな
俺たち以外に誰か―――
いや彼女は違うだろう
彼女は俺達とは別の任務に行ってたし、なにより彼女の気配はなかった


あーまぁ。助かったから別にいいんだけどな
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