どうしようもなく、惹かれる。
ただ、気づかないだけ。
誰も、気づかないまま終わるだけ。



「…はぁ。」

「…どうしたんですか、相馬さん?」

「あぁ…小鳥遊くん…。」


食材をとりに倉庫にきて、小さくため息をついていたら。
うしろから小鳥遊くんにちょっと心配そうに声をかけられた。
どうやら小鳥遊くんも倉庫に食材をとりにきたようで、俺がいたことに少し驚いた顔をした。


「おもしろいことがなくてため息ですか?」

「あはは…まぁ、ね。」


小鳥遊くんの言ってることはあながち外れではない。
(実際は、ちょっとおもしろくない光景を見ただけ。)

少しぼんやりと答えると、小鳥遊くんが心配そうに、ただ少し警戒するようないつもの嫌そうな目で俺を見た。
そのとき、ちょっと嫌そうなその瞳が…俺が好意を寄せている人と重なって。
むくわれない恋だと再認識したさっきの光景を思い出して。
俺は気づいたら小鳥遊くんを倉庫の壁に押しつけた。

勢いのまま、小鳥遊くんの「ちょっ…!」というくぐもった声も聞こえないふりをして。
そのまま強引に口づけた。


「…んっ…そ、まさ…!」

「…黙って。」


小鳥遊くんの真っ赤な顔も困った声も全部無視して、強引に舌をいれる。
水音と小鳥遊くんのくぐもった声だけが耳に響く。
ここがバイト先なのも忘れてしまうくらい、ひたすら貪った。
頭に思い浮かぶのは、俺の想い人。
我ながらひどいことをしてるなと思う。
けれどもう、すべて手遅れ。

最初は抵抗していた小鳥遊くんも次第に力が抜けていったようで。
しばらくすると抵抗をやめて、息を吸うので精一杯な状態になっていた。

そろそろかわいそうかなと思って口を離すと、小鳥遊くんはその場にしゃがみこんだ。
どうやら腰がぬけたみたいだ。
(…小鳥遊くんもこうしてみるとかわいいかも…。)


「そ、まさ……な、なにして…!」

「あはは、小鳥遊くん、顔真っ赤。」


その場にしゃがみこんだ小鳥遊くんと同じ目線にしゃがみ、彼の制服の真ん中辺りからボタンを外した。


「ちょ…なにし……んっ…!」


真ん中から下までボタンをはずして、小鳥遊くんの胸の突起に舌を這わせた。
突起に舌がふれるたび、小鳥遊くんの体がびくりと揺れて嬌声が漏れる。
ふだんとは違う、口元を手で覆いながら真っ赤で何かに耐えるように目をつむる小鳥遊くん。
そんな顔をされると虐めたい心が増すばかりでつい笑みがこぼれてしまう。
(小鳥遊くん…そんな顔したら誘ってるようなもんだよ。)


「小鳥遊くん、写メとってもいい?」

「…はっ?
だ、ダメで……ぁ、んっ…。」

「そんな可愛い声出して…誘惑してるの?」

「うっ…あ…違っ……ひゃっ…!」


少し歯を立てて、小鳥遊くんを攻める。
よりいっそう高い声で鳴く小鳥遊くんに、俺は再度、同じ質問をした。


「俺のこと、誘惑してるの?」

「ち、ちがいまっ……あ、ぁっ…ひっ…んんっ…!」


早く言えばいいのに。
俺には隠し事なんて通用しないよ。



むくわれない恋

(俺が佐藤くんを好きで)
(きみが俺を好きなことくらい)
(だいぶ前から、知ってる)

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小鳥ちゃんとでもよかったんだけどなんで相小を書いたのかは謎ww
2011 つき

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