1年生編 | ナノ




優しき先輩

明日はハロウィンだし、なんか作ろうと思って図書館に本を借りに来た。
砂糖の量を減らすのは雪ちゃんがしてくれるから大丈夫。

ついでに、他の本も借りようと思ってお菓子の本を手にしたあと、魔法薬学のコーナーに行った。

目当ての本を発見して手を伸ばしたのまでは良いけど、あと…あと5cm足りない!

「んっ!」


頑張ってみたけど届かないものは届かない。

何も一番上に置く必要ないじゃない。

もう一度手を伸ばすと、隣から手が伸びてきた。
ちょうど、借りようと思っていた本だったので諦めようと踵を返すと上から声が降ってきた。

「癒しのてんS…桃子・白鳥ちゃん、だよね?」

「えぇ、そうですよ、Mr.」

「僕は、ハッフルパフのセドリック・ディゴリー。良ければ、セドリックとお呼びください。
この本、借りようとしてたよね?」

「そうですが、ディゴリー先輩が借りようとしてましたからまた今度にします。」

「いや、僕は桃子ちゃんが困ってたから助けたまでだよ。」

「ありがとうございます。」

優しい先輩もいらっしゃるのね。ドラコお兄様みたい。

「図書館で本を取れなかったら魔法を使っても良いんだよ。」

「そうなんですか。でも、すっごく助かりました。」

「あの…さ、僕のこと覚えてないかな?」

「えーっと、どこかでお会いしましたっけ?
……あっ!
間違ってたら申し訳ないのですが、新型インフルエンザにかかっていませんでしたか?」

「そうだよ!
さすが癒しの天使ちゃん!」

何が癒しの天使?

急にガバッと手を握られて、持っていた本を数冊バサバサと落としてしまった。

「すいません。」

すごく驚いた。
記憶力は良い方だと思うけど、とても苦しそうにしていたから特に覚えている。
ディゴリー先輩は独り言をおっしゃっている。


「ディゴリー先輩?
失礼してもよろしくて?
このあと、用事があるんです。」

日本人の特技、困ったら微笑んでおくを使ってその場を去らせていただいた。

申し訳ないけど、男の人にはあまり触れてほしくない。
スネイプ教授は大丈夫だったけど。
気持ち的な問題かしら。

そんなことより、雪ちゃんが待っている!

「雪ちゃん、お待たせです。」

雪ちゃんとわいわい言いながらクッキーてかケーキとかを作った。

なかなかの出来だと思うわ。


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