1年生編 | ナノ




行方知れず

大広間から出ていってから、桃子の行方が知れない。
いつもは、行き先が分かっているから安心して送り出せるけど、今日は不安で仕方ない。

「シェリー、私は桃子の私室と談話室を見てくるわ!」

「私は、図書室ね!」

「マリー、ソフィー、ありがとう。」


…待てよ。
あの二人、口元にすっごく嬉しそうな笑みを浮かべてた。

桃子が居そうな場所って、私室、談話室、図書館、そしてスネイプの部屋…。
あの二人
‘覚えてろよ…’

一番嫌なところを押し付けやがったな。

それもこれも桃子のためなら、しょうがない。

嫌々ながらも、スネイプの研究室に行っても、誰も居なかった。あの年中引きこもってそうなスネイプでさえ。

とぼとぼと来た道を戻っているとスリザリンの坊っちゃん、マルフォイに出くわした。

さっきから、私のスタマッケイクが止まらない!(ロマンティックが止まらない!風)

「おい、お前桃子の友人だろ。」

「そうですけど。」

「桃子は見つかったか?」

「まだですが。」

「そうか…
見つけたら、早く医務室に連れていってやってくれ。」

「えぇ。」

命令されなくても連れていくわよ…。
すごく心配そうな顔をしてマルフォイは消えた。

「どこに行ったのよ…」

あれから、マリーとソフィーと合流したけど全く手がかりもなし。

城内で桃子の行きそうな所はすべて行った。

「Ms.ハリソンにMs.コートリル、Ms.インテグラル、探してたんですよ。」

「「「マクゴナガル教授!」」」

「Ms.白鳥は医務室にいますよ。
会いに行っておあげなさい。」


医務室に行くと、しぶしぶだがマダムポンフリーも面会を許してくれて、桃子との再開。

桃子は、すごく罰の悪そうな顔をしていた。

「みんな、心配かけちゃったみたいでごめんね。」

ベッドではなく、ソファに座ってどこかで見たことのあるマントを着ている。
気のせいだよね。
私は私の記憶を全力で否定します!

とりあえず、怪我をしていない桃子を見て安心した。

「戻ろっか。」

「戻ったら、覚悟しておいた方が良いかもね。」

「あっ!
私、スネイプ教授に用事が…」

「行っておいで。
夕食までには帰ってきなさいよ。」


「シェリー、家の執事みたいになってるわよ。それでは、行ってきます。」

あの子、最後にスゴいこと言っていったわね。

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