1年生編 | ナノ




Duel Club

あのクッキーは、すごく評判が良かった。
シェリーたちにプレゼントしたクッキーはグリフィンドール寮のみんなが食べたらしく、出会った先生にプレゼントしたクッキーはいろんなところに出回ったらしい。

ちょっと恥ずかしいね。

あれからロココは、スネイプ教授の研究室が気に入ったらしく、よく研究室で過ごしているらしい。

「桃子!
今日のお昼から、決闘クラブがあるんだって。」

「ロックハート教授主催だけど、噂では助手にフリットウィック教授がつくらしいんだけど。」

「どうする?」

「フリットウィック教授がロックハート教授をこてんぱんにするところを見てみたいわ。」

「「「同感よ!」」」

なんだか意気込む三人は見ていて大阪のおばちゃんを彷彿させる。
勢いとか熱意とか…。いつになく饒舌だし。しかし、キラキラとした笑顔を見ていると安心する。大阪のおばちゃんみたいな三人に安心しちゃう私ってどうなんだろうね。

そのあと、スネイプ教授のところへ課題の提出と質問にいったり、紅茶をいただいたりといつも通りの週末を過ごした。

「そろそろ行きましょう。」

と、満面の笑みの三人と一緒に会場入りする。

張り付けたような笑みを浮かべたロックハート教授が登場するころには、会場は人で一杯だった。

助手は、なんと!
スネイプ教授だった。すごく不機嫌そうだけど。

「スネイプかよ。あいつら相討ちで死んじまえばいいのに。」

声のした方を振り向くと、あのポッター先輩とウィーズリー先輩だった。

なんて、不謹慎なことをおっしゃるの。今度呪って差し上げようかしら。

なんて考えてると、前から気持ち悪い色したマントが降ってきている。

「ッ!」

声にならない声をあげてしまったみたい。

考えるよりも、誰かに腕を掴まれて後ろに引っ張られた。

「桃子、大丈夫?」

「シェリー…
大丈夫よ。少し、驚いただけ。」


パサリと軽い音をたてて地面に落ちたマントはソフィーとマリーがくっきりと足形をつけていた。
そのあとは、ロックハート教授のファンだと思われる女の子が取り合いをしていた。

「スネイプ教授。」

スネイプ教授もマントを投げてくれたら良いのに、と喧騒のなかそっと呼び掛けてみた。

しゅるりと流れるような動作でマントを投げてくれた。

ばっちり受けとりました!

とっても嬉しかったわ。

マントを脱いだスネイプ教授も相変わらず格好良かった。良質な雰囲気を醸し出す黒シャツに黒のベスト。さすが!なんて思いつつマントを綺麗に畳んだ。

畳んでいると回りでは、さすが桃子・白鳥!、さすがAngel!だのいろいろと言われた。

どういう意味なのか、よく汲み取れないままスネイプ教授とロックハート教授の模範演技が始まった。

始まって数秒で終わってしまったけど。

あんなに初歩的な攻撃を交わせないなんて、DADAの教授として大丈夫なのかしら。

適当な言い訳を並べるロックハート教授を見ているとため息が出る。

「Ms.白鳥!
いいえ、桃子。
私のお相手を願います。もし、私が勝てば私と付き合ってください。」

「ぇ?」

すごく気の抜けた返事になっちゃった。

「どうでしょう、桃子?」

ちらりとスネイプ教授に視線を移すと、呆れていた。
真剣にやっちゃっていいのかな?

「ロックハート教授、良いですよ。
面白そうですから。」

スネイプ教授がたっている側の壇上に行くと、「君が負けるようなことは決してない。好きなようにやりたまえ。」と、言ってくださった。

すごく不機嫌だったけど。

軽くお辞儀をして、「エクスペリアームズ」と唱えると、目の前には何もいなくなっていた。壁際まで飛んでいったらしいロックハート教授は取り巻きの女の子に助けられていた。

そして、あらぬ方向に飛んでいったロックハート教授の杖は…折れていた。

自業自得。

そんな言葉がぴったりだと思う。

スネイプ教授に、目配せをしてシェリーたちのところに戻った。

預かってもらっていたスネイプ教授のマントを受け取る。


次は、ポッター先輩とドラコお兄様が指名されていた。

「ドラコお兄様、頑張ってくださいね!」

グリフィンドールの知らない人を応援するより、スリザリンのお兄様を応援する方が良いと思うの。

軽く手をあげてドラコお兄様はポッター先輩と戦いに行った。

作法通りお辞儀をし、ドラコお兄様は蛇を出した。

ロックハート教授は、怪しい動きで杖を蛇に向け「ダメっ!
生き物を傷つけないでっ!」

丁度最前列にいたから、サッと謎の攻撃から蛇を庇うために前へ出ると、軽い痛みが太ももに走った。

どんなに弱くても魔法は魔法だね。「先生、生き物を傷つけるとはどういうことですか。
命あるものは、すべて等しく大切にされなければいけないのです。」

蛇を抱き上げて大広間を去る彼女は、たまたまエメラルドグリーンのバレッタをしていたこともあって、まるでスリザリンの女神に見えた。
さらに、ロックハートの呪いにより制服のスカートがスリットみたいに破れてちらりと見える太ももが妖艶でした!鼻血もの!(桃子・桃子ファンクラブ員談)

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