1年生編 | ナノ




Angle of healing

なんと、校内で新型インフルエンザが流行りだした。
おじいさまにお願いして、癒力を使う許可をいただいた。私の空き時間で、つまり無茶をするなって言う条件付きで。
医務室でみんなを病の苦しみから助けることができる。
マダムポンフリーも感染症の時は忙しくなるからと喜んでくれた。
ちょうど、スネイプ教授も薬の調合で忙しくなるから、とおっしゃっていて私としては都合がよかった。
そんなことを考えていたのもつかの間。学校側が緊急対感染症休講を提示した。新型インフルエンザがおさまるまで、緊急時以外寮の外に出ては行けない、とのこと。

私は先日より医務室にいる時間が長くなっただけ、むしろ医務室に住んでいるみたい。

昨夜からいろんな人が医務室にやって来ている。医務室では足りず、隣の教室二つも緊急で医務室となった。
こんなに忙しいと私は大丈夫だけど、マダムポンフリーは大丈夫じゃないんじゃないかな?


聞きなれた傲慢な声が聞こえる。
もしかしてと思い、チラリとカーテンを除くと、

「ドラコお兄様!」

「桃子か?」

「お久しぶりです。夏のパーティー以来ですね!」

「そうだな。
あの時は面白かったな。次はクリスマスのパーティーだな。今年はブラック家が会場だな。」

「そうですね!
シリウスおじ様とレギュラスお兄様のケンカが見れそうですね。クリスマスが凄く楽しみだわ。」

「僕もクリスマスは楽しみだよ。また、家にクリスマス休暇の間に家に来たらいい。和志お兄様や、桜子お姉様も来たらいいのに。」

「来ると思いますよ。
そうそう、素敵な入学祝いありがとうございます。
ルシウスおじさまとシシーお姉様には手紙を送ったんですよ。ドラコお兄様には直接お礼が言いたくて。」

「(桃子はグリフィンドールか…。あれは年寄り帽子の判断ミスだな。桃子は純血だしスリザリンに入るべきだった。)

いや、そんな大したものじゃないから。喜んでくれたなら僕はそれでいい。」

「凄く嬉しかったですよ。あら、そちらにいらっしゃるのは、ドラコお兄様の?
えっと、私は癒力を持っているので治療してるだけですので。」

話しているかん、ずっと手を握っていたし、さっきまで気づかなかったしドラコお兄様の彼女さん怒ってないかな…。


「え、えぇ。
気にしてないわ。
私はパンジー・パーキンソンよ。
貴女はもしかして桃子・白鳥かしら?」

「そうです。
では、パンジー先輩、ドラコお兄様のことよろしくお願いしますね。
ドラコお兄様、また来ます。」

「あぁ、またな。
インフルエンザにはかかるなよ。」

「私は大丈夫ですよ。お大事に。」

よく考えたら、面会謝絶状態じゃなかったかしら?
まぁ、バレなかったら良いでしょ。

いろんな人を癒していると、寮関係なくたくさんの人と友達になれた。

隣の部屋に行くと、一際ひどい咳が聞こえるので行ってみるとハッフルパフの男の先輩だった。

「大丈夫ですよ。
すぐに楽になりますからねー。」

急いで手を握って、魔法で氷枕の氷をかえる。

眠りかけだったようで、安らかな寝息をたてはじめた。

なんだか私の方が安心してしまう。はやくインフルエンザが過ぎますように。

働き詰めのマダムポンフリーに休憩するように提案したら、貴女は優しい子ねなんて涙ぐまれちゃった。私も頑張らないとっておっしゃるから、とりあえず、足りなくなった薬をスネイプ教授のところに取りに行ってくる間だけでも休むように説得した。スネイプ教授のところに薬を受け取りに行くと凄く驚かれた。

「なぜMs.白鳥が受け取りに来るのかね?」

「私、癒力を持っているので、休講の間は医務室で助手をしているんです。
ちゃんと感染症対策はしていますよ。」

「そうか。
もう少しで薬が出来る。それまでそこに座っていたまえ。お茶でも入れよう。」

「よろしいんですか?」

「あぁ。」

なんかラッキー!

無言でおかれた紅茶は優しい色をしていた。一口飲むと、心の奥が暖かくなるようですごく美味しかった。

「紅茶って、いれる人の人柄が出るんですかね?
すごく美味しかったです。」

「どうでしょうな。薬はできたが、もう一杯いかがかな?」

「頂きたいのは山々なのですが、薬を持っていきます。代わりに、今度来たときにも紅茶淹れてくださいね。
スネイプ教授のおかげでもっと頑張れそうです。」

「そうか。」

すごく得した気分!

医務室に戻ると、マダムポンフリーは疲れたのかソファーで寝ていた。そっと毛布をかけて、部屋を巡回しているとスネイプ教授に質問に行くと必ず会うハッフルパフの先輩がいた。

「もしかして、スネイプ教授の研究室で良くお会いする先輩ですよね?」

「うん。
貴女がどうしてここにいるの?」

「私は期間限定で医務室の助手をしているんですよ。」

「へぇー。
貴女ってスゴいのね。」

そのあと他愛もない話をしていると先輩は眠ってしまった。

休講が終わるまで、どたばたしていたがそれなりに充実していた。

気づいたら
無事に感染症の広がりも収まっていた。


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