GLORIOUS DAYS | ナノ

第4Q


「王者立海──それが、ウチの絶対理念だ。負けることは許されない。だからこそ、お前を獲った指揮はお前に任せる。頼んだぞ、夜神」

この高校を選んだ時から、言われ続けたこの言葉。もう正直、うんざりしている。何回も言われなくても、分かりきっていることだ。『神代の姫君』の名を背負う者として、負けてはならないこと──否、負けないことは、当然であり義務でもある。

「(その上、私の掲げる理念を知っていてなお【アイツら】の理念を押し付けると来た)」

根性腐ってるんじゃないか、なんて思ったのは仕方ないと思う。【常勝立海】を、ずっと前から知っていた。どの部活動においても、立海の名は大きすぎる。特に、男子テニス部と、女子バスケ部は。まったく、嫌になるものだ。この私を、支配下に置こうだなんて。



「──………にしても、ココは何処なんだ?」

無意識のうちに、満開に咲き誇る桜に魅せられて。気が付けば、見知らぬ場所に一人ただ呆然と立っていた。

「ちょっと………この年で迷子とか、冗談じゃないぞ?」

キョロキョロと周りを見渡しても、誰も居ない──

「──って、アレは?」

向こうに、誰か居るのか…?
あの場所は──テニスコートだ。


「(行ってみよう)」

何もしないことには、始まらない。





「──行こうか、皆。ここからが、スタートだ」
「(あ、男か)」

後ろ姿を捉えて、確認する。高校生なのか…?
──と、そのとき。私から見て一番奥に居る人物が振り返って、それに続いて全員が一斉にこちらを見る。

「(………全員が顔の整った奴等だな)」

らしくもなく、そんなことを思う。まあ、だから何だっていう話だけども。同年代の男には興味など微塵もない。男なら、やはり年上がいいに決まっている。余裕がある、大人な人なら年齢は関係ないが。………それって、やはり【アイツ】も当て嵌まるのだろうか。
──っと、こんな話をしてる場合じゃなかった。とりあえず、リーダーらしき一番奥の人物に、話し掛けてみようか。



「───ねぇ、」





負けることは許されない

(背を向けていた彼等は、)
(何かを背負っていた気がした)

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