第17Q
「一本、落ち着いていこう!」
ボールをキープしながら、誰が空いているのかを探す。
「──隙だらけだよっ!」
それを見逃さなかった一日がボールに手を伸ばした瞬間。
──ビュッ
「なに…!?」
高速で回転して、一日を抜き去った。まさか一日が抜かれるとは思わなかった氷帝はヘルプに遅れ、そのままゴールを決められてしまった。
「油断したのはソッチだったわね!」
してやったりと嘲笑う相手に、一日は静かに闘志を燃やしていた。
「──生憎、ウチの生徒は諦めが悪ぃんだよ」
白石龍之介が、ニタリと笑みを浮かべる。
「これがうちらのキャプテンの実力や!」
#5 上原 奈美 三年
SF 162cm 54kg
「お前がドヤ顔してどないすんねん…」
#6 岡崎 やよい 三年
PF 167cm 58kg
「やっぱ最強ッス、リオ先輩」
#7 菊丸 笑 二年
SG 158cm 50kg
「大阪ナメんなよゴラァ!!」
#4 相田 リオ 三年
PG 156cm 45kg
「止めれるもんなら止めてみろ?
──それはこっちのセリフだ、クソガキ」
「───すごい…」
ポツリ、と小さく言葉を溢す。
これが、先輩の実力…!近畿大会まで進んだのは知ってるけど、ここまでレベルが高いなんて知らなかったわ。
「何言ってんだアホぅ!」
「いだっ!?」
バシーン、と頭をはたかれ、その痛みに思わずしゃがみ込んでしまう。
「何するのよ!岡崎さん!試合中よ今!」
睨んでも、肝心の岡崎さんは平然としている。
「敬語使えやボケ。お前一人でバスケするんやないやろアホ。お前ら後輩が頑張ってんのに、ウチらがへばってどうすんねん!」
「…!」
「オフェンスはウチらに任せろ」
「あんたは死ぬ気で守りなよ」
「菊丸さん…上原さん…!」
大丈夫。アタシはまだまだ走れる。
「───勝つわよ、絶対に!」
だから、早く戻ってきなさい───晴菜!!
それはこっちのセリフだ(……何で、)
(───蘇芳、覚醒。)