GLORIOUS DAYS | ナノ

第13Q


「──お前はもう、不必要だ」

悪い夢でも見ているんじゃないかと思った。やけど、それは確かに現実で。信じたくなかった。薫が、ウチを捨てる……?

──イヤや、絶対にイヤ!

薫はウチの世界の中心なんや。ウチをバスケに誘ってくれたんも、支えになってくれたんも、見出だしてくれたんも、全部全部、薫やのに。ウチを捨てる薫なんて、薫やない。
──変えないと。薫の中のウチの価値を、絶対的なモンにせな。じゃないと、今度こそ── 捨 て ら れ る 。

そのためには、『神代の姫君』達に教えてやれば良いんだ。ウチ(影)の底力を、チームプレイの大切さを。





「お前も『姫君』の一人であることに変わりはない。
 ──足掻いてみせろ、スミレ」


やけど、薫は薫だ。自分から突き放しておいて、また舞い上がらせるなんて。
ウチを『神代の姫君』だと──仲間だと、言ってくれた。それだけで、充分や。最後に見せた表情は、余裕なのか、それとも同情なのか。何でも構わん。ウチのやることはひとつ。








「薫には遠く及ばないかもしれない。だけど、アタシも頑張るわ。だから、見せつけてやろう、新しい絆を」

唯一ウチを見限らなかった萌未のために。

「君はもう私らの仲間や。信じろ、君の仲間を」

こんなウチを受け入れてくれた、四天宝寺の皆のために。

「──違う!私は晴菜を切り捨てたりなんかしない!」

薫と【アイツ】の過去の真実を知るために。


絶対に、負けられない。



「やから、勝たせてもらうで──初穂!」

かつての仲間であっても、絶対に。

「──そうでなきゃ、面白くねぇよな!
 見せてもらおうじゃん!お前らの絆ってヤツを!」

挑発的に嗤う蘇芳の姫君が、行く道を塞ぐ。



《これより、四天宝寺高校 対 氷帝学園 の練習試合を始めます!礼!》

「「「「「お願いします!」」」」」
「「「「「お願いします!」」」」」


さあ、ひとつ目の歯車を、回そうか。





勝たせてもらうで

(薫、頂点で待っといて)
(絶対に、追い付いてみせる)

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