5月23日

side.秋月

※未来のお話



 額に、柔らかな感触。

 昼飯をすませ、微睡んでいた意識が浮上する。


「おい、」


 隣にいるのは、こいつだけ。
 何かしたのか問い詰める必要はない。

 そっぽを向いて、俺を見ねーようにしてやがる。
 耳が赤いせいで、バレバレだけどな。


「……キスの日、らしい、から」


 時間をおいて返ってきた答え。
 肝心の顔は、表情は分からない。


「おい、」


 俺を見ないことへの不満が混じり、呼びかけた声は予想より低いものになる。

 びくり、と揺れる肩には、余計な力が入っている。


「こっち向け」
「…………………う、」
「向けって」


 怒られるとでも、思っているのか。
 いつにもまして頑なだ。


「おい、」
「っ、ごめっ……でも、」
「何謝ってんだよ」


 何も咎めることなんてありゃしねーのに。


「こっち向けよ。キスの日なんだろ」


 俺がコイツにしたいことは1つだけ。



 終

==========
twitterにあげたものの転載。
秋月と真彩のキスの日ネタでした。

 

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