夏の暑さにうだりはじめる その2


今日もうだるような蒸し暑さだ。こんな時こそ冷たいものが食べたくなる。
アイスを買いに行くのもだるい。どうしたものだろうか、と頭をひねっていると、ある2人組が通りかかった。アイスクライマーだ。

「アイスクライマーのお二人さん、こんにちは」
「あっ、ななしさん、こんにちわぁー……」
「今日もあっついですねぇー……」

アイスクライマーのお二人は元気もなく、すでにバテバテだ。雪山を登っている2人にとって、この暑さはこたえるのかもしれない。
いつものダッフルコートではなく、Tシャツに短パン姿とはいえ、やはり暑そうだ。

「……大丈夫ですか?」
「大丈夫だよねぇ、ナナ」
「そうですよ、心配しないでください……」

そういう2人はすでに倒れそうってくらいフラフラだ。これはまずい、急いで水やアイスノンを持ってくるべきだろう。そう思ってキッチンへ走っていった。
このまま2人をそのままにしていくわけにはいかない。



「はい、アイスノンと水。2人分持ってきたよ」
「「……ありがとうございます!」」

私がアイスノンと水をアイスクライマーの2人に渡すと、2人はすごい勢いで水を飲み始めた。すごい、もう半分くらいまで減ってる。
アイスノンまくらを敷きながら2人は寝転がるように倒れた。

「助かりました、ななしさん、本当にありがとうございます」
「心配かけてすいません」
「いえ、2人が無事ならそれでよかったです」

私はアイスクライマーの2人にうちわを仰いでいる。ほんの少しだが、元気が戻りつつあるようだ。

「そういえば、ななしさん。割と僕たちにつきっきりだけど、仕事とかは大丈夫ですか?」
「もう少ししたら掃除に行こうと思いますが、そんな心配しなくても大丈夫ですよ。ポポくん」
「でも、私たちにできることがあれば」
「まずは回復から始めましょうか、ナナさん」

私はうちわで2人を仰ぎながら言った。2人はどこか納得がいってないみたいだったが、まずは2人を元気つかせないと。
掃除よりも2人の方が大事だ。

「……ありがとうございます、ななしさん」
「じゃあ、まずは私たちが元気にならないとね」
「そうだね、ななしさんも無理しないで」
「水のお替りも持って来ましょうか?」
「「ぜひ!」」

アイスクライマーの2人に頼まれて、私はまた、水を持ってこようとキッチンに入った。
まだまだ、猛暑日は終わらないのかもしれない。でも、まずはみんな元気でいることが大切なのだ。

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