言いたいことは
「危ない!ななし!」
「えっ、うわぁ!」
突然サムスさんが叫んだので私はとっさによける。よけた後にかなりのスピードで何かが突っ込んできた、リドリーさんだ。
私は茫然としたまま、固まっているとサムスさんが走ってきた。
「大丈夫か、ななし?」
「あ、はい、大丈夫です」
「全く、危ないじゃない」
サムスさんが私を起こしてくれる。私は「ありがとう」とお礼する。
と、またリドリーさんがこっちに向かってきた。今度はそんなスピードを出していないようだ。
「リドリー、何の用だ」
サムスさんがムッとしながらリドリーさんを睨みつける。リドリーさんもイラッとしたからかサムスさんに向かって「ギュルルルル……」と鳴いている。
「あの、リドリーさん」
「グルル」
「ななし、危ない!下がっていろ」
「……お腹すいてるんじゃないんですか?」
「は?」
サムスさんがポカンとして、リドリーさんと私を交互に見る。私はたまたま持っていたおにぎりをリドリーさんの前に差し出した。
リドリーさんはおにぎりを受け取り、一口でおにぎりを丸のみにした。喉につかえないか心配になるが、リドリーさんはなんともないようだ。
「ギュウ」
「美味しいですか!よかったです」
「ギュルル」
「今度はもっと欲しい?はい、わかりました」
「お、おい、ななし。まさかあいつのセリフがわかるのか?」
「いえ、私もわからないのでなんとなく伝えたいことはわかる気がしたので……」
私はそう返すと、サムスさんはまたポカンとする。リドリーさんは滑空して食堂の方へ飛んで行った。
「じゃあ、私はリドリーさんにおにぎりを作ってきます」
「そうか、襲われそうになったら私を呼べ。あいつは油断できないからな」
サムスさんと別れ、リドリーさんの後を追うように私もまた、食堂へ向かうのだった。
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