黒い羽根と共に


私は館の門の前である人を待っていた。今日はある人が来るからだ。

「新しいファイターさん、どんな人なんでしょうか」

私は遠くを見つめながらそう呟いた。実のところマスターからは『新しいファイターがくるからおもてなしよろしくね。料理とかはこっちで用意するから』と言われているだけでどんな人物かなのかはわかっていなかった。
どんな人がくるんだろうかとワクワクしている反面、先日クラウドさんが「嫌な予感がする」と言っていたのも気になっていた。

「……そろそろ来てもいいハズですが」

そう言った矢先、突然黒い羽根が降ってきた。カラスかな?と思ったがカラスなどとんでいなかったのだ。
隣に人の気配を感じる。そう思って横を振り向くと、そこには長い銀髪の長身の男が立っていた。

「……館というのはここか」
「!……もしかして、新しいファイターさんですか?」
「新しいファイター……?フッ、そうだったな」

どうやらマスターの言っていた新しいファイターさんのようだ。その男の人は私を一瞥した後、館へ入ろうとする。

「あの、ちょっと待ってください」
「まだ何か用でもあるのか」
「名前、教えてください」
「セフィロスだ」

セフィロス、と名乗った男の人は、そのまま館へ入ってしまった。私はセフィロスさんを追いかけるように館へ入っていくのだった。


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