睡魔


「あれ、ルフレさん、何してるんですか?」

図書室で私はある人物を発見し、声をかけた。
その人物―――ルフレは私を一瞥したあと、こう答えた。

「あ、ななしさん」
「なにか調べものですか?」
「ううん、ただ読書しに来ただけだよ」

そういってルフレはまた本を読み始めた。
それを見た私もまた、本を持ってきて読み始めるのだった。



「…………はっ!」

目覚めたときにはもう夕方になっていた。
本を読み始めたのはいいが、途中で眠ってしまったようだ。

「あ、ななしさん、おはようございます」
「おはようじゃないですよ! ルフレさんってば、寝てるなら起こしてくれてもいいじゃないですか!」
「いやあ、ななしさんが気持ちよさそうだったので」

そう言ってルフレは笑い始めた。
それを見た私は頬を膨らませる。

「ごめんごめん、怒らないでほしいな」
「むー」
「夕飯、できてるみたいですよ、一緒に食べに行きましょう」

そういってルフレは手を差し出してきた。
私はルフレの手を握り返し、共に食堂へ向かうのだった。


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