春咲く花は


「暖かくなってきましたねえ……」

私は庭の手入れをしていた。雪は溶け、春の暖かさを感じる時期になってきたなと思いながら花に水をあげていた。
と、そこへ2人の人物が通りかかった。フォックスさんとファルコさんだ。

「あっ、フォックスさんにファルコさん」
「おっ、ななしか。庭の手入れでもしてるのか?」
「はい!この頃はもう暖かいですね!」
「そうだな」
「そうそう、フリージアが咲いたんですよー!」

私はそう言って、フリージアが咲いている花壇を指でさす。色とりどりのフリージアが水を浴びて、キラキラ光ってるように見える。
フォックスさんは「おお」と感嘆した声を上げ、ファルコさんは一瞥した後私の方を向く。

「綺麗だな、これはななしが植えたのか?」
「いえ、マスターハンドが植えたんだそうです」
「あの手袋がか?ちと想像できねえな」

ファルコさんがそう言うなりフォックスさんが笑う。つられて私も笑いだす。
と、そこへ誰かがやってきた。ピット君だ。

「あ!おーい、フォックスさーん!」
「呼ばれたみたいだな、じゃあななし。俺は乱闘に行ってくる」
「俺もそろそろ呼ばれそうだから行くぜ」
「お二人とも、頑張ってくださいね」

私が声をかけると2人は手を挙げて館へ入っていった。ピット君も後を追って館に入る。
私はそんな3人を見送り、また花に水をあげるのだった。


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