バレンタイン準備
世間は今、バレンタインだ。
そのせいか女性ファイターも浮足立ってるように見える。……プリンとかは相変わらずだが。
ファイターではないが私も例外ではなく、ファイター全員分のチョコを用意しようと躍起になっていた。
「ふー、やっと半分……」
半分とはいえ今いるファイター分を作るとなると70人以上、加えてマスターハンドやクレイジーハンドも含めるとそれなりの人数になってしまう。
チョコの山を見つつ、私は次のファイター達の分を作ろうとする。
「あれ、お嬢ちゃんじゃないか」
「あっ、ケンさん」
食堂に入ってきたケンさんに手を振ると、ケンさんも手を振り返してきた。
ケンさんは横のチョコの山を見ながら、納得したかのように頷いた。
「これ全部バレンタイデーに送るヤツか?」
「はい、皆さんの分を作ってます!」
「ファイター全員とマスターハンドとクレイジーハンドの分もだろ?さすがに無茶しすぎじゃないのか?」
「いえ、それくらい苦ではありません」
私はそう言いつつ、またチョコを作る作業に戻る。まだ半分も残っているのだ。
その時、食堂の扉が開いた。カービィである。
カービィはチョコの山を眺め、吸おうとする。
「待って、カービィ!」
「ぽよ?」
「これはバレンタインのチョコで皆にあげるやつだから……」
「ぽーよ」
カービィは頷いて、キッチンの目の前に座った。
私はチョコレートを差し出し、カービィにあげた。カービィは嬉しそうに頬張っている。
「さて、そろそろ本腰を入れますか!」
「無理すんなよー!」
「ぽよー!」
「2人共、ありがとうございます!バレンタイデーを楽しみに待っててくださいね!」
1人と1体の声援を受け、私はバレンタインのチョコレート作りを再開するのだった。
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