Who is santa
「ん……? サンタさんですか?」
私は寝ぼけ眼になりながら赤い服の人が見えたのでこう呟いた。
今の時期はクリスマスだ。だからサンタさんがこの館に来てもおかしくないのだ。
私はもう一度眠ろうと思い、眠りそうになる。
「おいおい、俺はサンタじゃないぞ。お嬢ちゃん」
「ん、あれ、ケンさん」
私は赤い服の人物―――――ケンさんにサンタじゃないと返され、目が覚める。
ケンさんは私の頭をポンポンと撫で、辺りを見回す。
「もうクリスマスってやつか」
「そうですね……。今年のサンタは誰になるんでしょうかね」
「もしかしたら俺かもしれないな」
ケンさんはそう言って苦笑する。
私も「だと知れませんね」と返し、笑う。
「そういやお嬢ちゃんは何か欲しいものでもあるのか?」
「私は特に……ここの皆さんが元気なら特に何も」
「ははっ、お嬢ちゃんらしいな」
「ケンさんはやっぱり、別の世界にいる奥さんのことですか?」
「ああ」
ケンさんはそう返した後、どこか思いを馳せたような表情を浮かべる。
やっぱり寂しいのかもしれないと思うのかもしれない。私は迂闊な事を言ってしまったかなと思い、後ろめたさを感じた。
「お嬢ちゃんがそう落ち込むことはないさ」
「でも、なんか、すいません」
「俺はそんなに気にしてないからさ」
ケンさんはそう言ってウィンクをする。
私はそんなケンさんにお辞儀をして、ふと時計を見るともう夕飯の時間だ。
「そろそろ夕飯の時間なので準備、しちゃいますね」
「おう。今日も楽しみにしてるぜ」
私はそう言って、夕飯の準備に差し掛かるのだった。
残されたケンさんもまた、みんなを呼びに行くのだった。
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