新人さんとの出会い


今日は新しいファイターがくるというらしく、周りのみんなは落ち着かなかったり、興味ないようにしたり多種多様だ。
そんな私もどんな人がくるかワクワクしている。

「今回は一体どんな人がくるんでしょうか、楽しみです」
「興味ないね」
「ってクラウドさん。そんな身もフタもないこと言わないでくださいよ」

興味なさそうなクラウドさんにツッコミを入れた。
正直どんな人かはまだ分かっていないのだ。
なにか足りない物がないかと思い、私は食堂を後にした。



「これでいいかな」

倉庫にて私は部屋の飾りを発見し、それを持って戻ろうとした。
飾りの入った段ボールは結構な重さであり、1人じゃちょっと持っていくのは大変だ。
誰かを呼ぼうかと思ったがこれくらいなら自力でも行けそうかと思い、持ち上げた。

「や、やっぱ、重い……」

持ち上げたときに足がふらついてしまう。
倒れそうになる!と思った途端、急に誰かが支えてくれたようだ。
私の手を離れた段ボールはぶちまけることなくそのまま床へ落ちたらしい。
私は安堵し、支えてくれた人の手を離れ、床へ座り込んだ。

「大丈夫か?」
「はい。ありがとうございます……」

そう言って助けてもらった人にお礼を言った。
助けてくれて人は赤いキャップを被り、背中に星マークをかかれたジャケットを着た男性だった。
こんな人いたかな?と思いつつ、ハッと思い出して私はこう言った。

「もしかして、新しいファイターさん?」
「YES。俺はテリー・ボカードだ。アンタは?」
「私はななしです。ここの館に住むファイターさんのお手伝いというかマネージャーをしています」

私はテリーさんと名乗った男性にお辞儀をした。テリーさんはそんな私を見てニッと笑った。

「そういや食堂で俺の歓迎パーティがあるって言ってたな。アンタも行くか?」
「あっ! そういや飾り付けの途中だったんですよ!」
「ってオイオイ。この量のダンボールを持っていくつもりか?」
「はい。持っていかないとですね」

そう言って段ボールを持ち上げたがまた足がふらついてしまう。
そんな私を見かねてか、テリーさんが段ボールを持ち上げた。

「OK。こっからは俺が持っていくぜ」
「えっ! そんな新人さんに持ってもらうのは悪いですよ」
「いいって。それくらいなら軽いもんだ!」
「すごいですね! でもやっぱ新人さんに持ってもらうのは……」
「気にすんな。さ、行こうぜ」

段ボールを持ち上げたまま、テリーさんは歩き出した。
私も少し遅れて歩き出す。
食堂に到着するとテリーさんはこう言ってきた。

「他のファイターの奴らにアンタにここにいるのは退屈しないな!」
「みんな有名どころのファイターさんがたくさんいます!」
「さ、行こうぜ。みんな待ってるぜ」
「はい」

テリーさんがそう言って食堂の扉を開けるのだった。


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