テニプリ短編 | ナノ
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▼ Er ist Hexe

※微裏/白石がちょっと腹黒い


本当は、こんな事まだ早いってわかってるのに。
でも、好奇心に勝つことは出来なかった。

「んっ、んん……」

捲れ上がった制服のスカートの裾を噛みながら、首を小さく横に振り、湧き上がってくる快楽を否定する。
唾液で湿った服から変な味がした唾液だった物が滲み出てくる。苦味に眉間にシワを寄せると「気持良くないん?」と、しょんぼりした顔をした白石が顔を上げる。
涙が浮かんだ瞳を向ければ白石はぎょっとした顔をして、それからあたふたとして日南に覆い被さりながら抱き着いた。

「太股、キスされるのあまり好きやなかったん?」
「ううん。蔵ノ介さんに触ってもらうの、気持いいから好きだよ」
「せやけど涙出とる」
「ん……」

指先で涙を拭われると擽ったさに声が零れた。
白石の華奢な手に触れられるのが好きで好きで仕方がない。
元々白石の事が好きだから尚更なんだろうけど、白石に触れられるだけで気持ち良くなる。
だから、太股に口付けられるだけども気持ちよくなっちゃってはしたない声で囀るしか出来なかった。そのはしたない声ですら白石は「可愛い」と言って愛してくれるけど。
気持ちよさの余韻がまだ体に残っている。何で涙が出ているのかわからない。
すると白石は一回立ち上がって日南を見下ろしたと思いきや、日南の体を正面から抱きしめた。腕の中にすっぽりと収まった日南に愛しそうに触れる。

「せやけど今の日南の泣き顔……最高やな」

普段優しい彼の口から聞く事は無いと思っていたサディスティックなセリフに背中がゾクゾクと粟立つのを感じた。

「ん、汗滲んどる……」
「っ!」

ぺろりと首筋を舐められて体が大きく跳ねた。
太股にキスされたのとさっきの言葉責めの所為で発情し始めてしまったのか何なのか。白石にこのまま抱かれてしまいたいと思ってしまう。
でも折角部活も休みで、家に誰も居ない、2人きりの状態なのにこのまま性戯で戯れるのも勿体ない。
それにまだ、そういう事をする事に抵抗がある。初めては血が出ると言うし、痛いっていうし。
悶々と悩んでいると白石が心配そうに「日南?」と名前を呼んで顔を覗き込んできた。

「ぼんやりしてどないしたん?」
「ご、ごめん!」
「やっぱりこういうの嫌やったかな」
「く、蔵ノ介さんだから嫌じゃない!ただ……」
「? ただ?」

何で途中で言葉を止めておかなかったのか日南は後悔した。そりゃ「ただ」なんて言ったら何か言葉に続きがあると思うに決まってる。
思っていた事が思っていた事だから口にするのも恥ずかしいし、そういう事を考えてる年中発情期だと白石に思われるのも嫌だ。
顔を羞恥で真っ赤にしながらどうやって切り抜けようか考えても、熱の所為でうまく考えが纏まらない。

「う、うぅー」

日南が何か悩んでいるのを察してなのか何なのか。白石は眉を八の字に下げて日南の髪を優しく撫でる。
白石の手は魔法の手かもしれない。触れる度にドキドキして、こうして頭を撫でてくれる度にふわふわした優しい気持ちになって来る。
今もかなりの緊張状態に陥っている筈なのに白石が頭を撫でてくれているお陰で大分気分が解れてる、気がする。
でもその白石の表情は日南とは裏腹に複雑そうな物だった。

「……堪忍な」
「え?」
「日南の気持ちあんまり汲めてへんかったかもしれへん。その、女の子の初めてって、痛いってよぉ聞くし……」
「!!」

1人でもだもだしていただけでこんなに気持ちの内側を見られてしまっているだなんて。そう思うと恥ずかしいと同時に白石に対して申し訳なくなってくる。
白石は確かに優しくて、かっこよくて、テニス以外でも酷い欠点なんて物は見当たらなくて、だからモテて。でも女の子に対しては初心な所もあって。
でも、異性に興味があって、そういう事をしてみたい年頃の男の子でもあって。
白石は日南の気持ちを汲めてなかったと言ったけど、日南だって白石の気持ちを汲めていなかったからそんなのはお互い様だ。
それでも白石は優しい口調で申し訳なさそうに言葉を綴る。

「日南、痛いの苦手やろ?俺も日南が痛がってるん見るの嫌やなぁ、なんて……。それに俺も本性出てまうかも」
「……本性?」
「さっき日南が泣いとった時、めっちゃ背中ゾクゾクして、ああもっと日南の事泣かせたい、なんて思ってしもて……あーもー、日南が泣いてる顔見たい訳やないんやで?」

1人で言い訳をし始める白石を見ていたらきょとんとしてしまって、でも色んな感情が湧き上がって来て自然に口元が綻ぶ。
何だか嬉しいし、狼狽している白石を見ていると楽しい。
それにさっきのあのサディスティックな笑みで言われた言葉を思い出しただけで、それだけで初めて感じる奇妙な高揚感を感じた。
あの笑みでもっと責め立てられたい。普段見せない様な表情だからそう思うのかもしれないけど。
日南はぎゅっと白石のシャツを握り締めた。

「日南?」
「……痛いのは確かに嫌、だけど、さっきの蔵ノ介さん見れるなら構わない、かも……」
「!」
「ちょっとゾクゾクして気持ち良かった」
「っ〜。後から"やっぱりナシで"は無しやで?」
「うん」

頷くと白石は日南の首筋に顔を埋めて舐めたり吸い上げたりを繰り返す。でも、それだけでも気持ち良いと日南はこの後の事を考えながらゆっくり目蓋を閉じた。


2016/11/07


診断メーカーの結果を見て滾って書きました(夢主デフォ名です)
日南は白石蔵之介に抱きしめられ、「お前の泣き顔・・最高やな。」と言われ襲われます。
https://shindanmaker.com/84865