マシンガントーク



今日も池袋の空に、自動販売機が飛んだ。

「てめぇ…俺何度も言ったよな??池袋くんなっつったよな??」
「まぁたシズちゃんかぁ…。君って本当に俺の事好きだよね。」
―ついてない…。
その場にいた誰もがそう思った。まさか平和島静雄と折原臨也の喧嘩(もっと壮絶なものだが)に遭遇してしまうとは。
しかし今日はいつもと様子が違っていた。
「ところでシズちゃん。」
「…あ??」
「君そんな恰好で死なないの?こんなに暑いのにまだバーテン服とか、君の神経を疑うね。」
そう言う臨也も真夏にも関わらずコートを着ている。その場にいる全員が思った。お前が言うな。
「…とりあえず死ね。」
「はいはい。とりあえず一緒に服買いに行こうか。」
「はぁ?…いやいやない。ねぇよ!お前と買い物とか…そんなら露西亜寿司でフルコース食う。」
すでに静雄の顔には血管が浮かんでいて、野次馬もそそくさと逃げ始めていた。
「反論は認めないよ!だいたい君が悪いんだ!!一年中そんなもの着てさぁ!彼氏の前で他の男からの贈り物着るとか、世の男への宣戦布告だからね。」
「おい待て。誰が誰の彼氏だ??」
「だから俺は考えたんだ。」
「シカトか。」

「だったら俺が服を贈ればいいのさ!」

恍惚と叫ばれた言葉に、その場の空気が凍った。静雄も武器にするべく、掴んでいた標識を離して少しずつ後退している。
しかし、臨也にそんなことをしても無駄だった。高校時代も、静雄に「結婚式は教会でする?それとも神社?」と話をふって、一人で盛り上がっていた。その時も静雄が全身全霊を込めて拒絶したのに、まったく気にしていなかった。
「だからシズちゃん。俺の服…あ、ちがう。俺が贈った服を着てよ。」
「うざいきもいいたい」
「あ、半袖じゃなきゃダメだから。シズちゃんの肌が見られないと意味ないし」
「何度でも言ってやる。気持ちわりぃから消えろ。」
例によって例の如く、この拒絶は臨也には届いていなかった。






「さぁシズちゃん。最近は男子の女装がトレンドなんだ。だからスカートも穿こうか。」
「幽ー!幽ぁぁぁ!!」






100806
シズちゃんの生肌を見たがる臨也を書きたかったんです…。どうしてこうなった。
最近レギンスとか穿いてる男性をよく見ます。
そしてほぼ会話文という罠。

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